爽やかな香りと美しいグランドカバー効果で人気のクリーピングタイムですが、「庭に植えるべきではない」という意見を耳にしたことはありませんか?
この記事では、クリーピングタイムを庭に植える前に知っておくべき注意点や、それでも植えたい場合の対処法、さらには代替となるおすすめのグランドカバーについて詳しく解説します。
でも同時に、こんな悩みを抱えていませんか?
- 「クリーピングタイムが思った通りに広がらない」
- 「夏の暑さで枯れてしまう」
- 「植えたのに数年で消えてしまった」
- 「一部分だけ黄色く枯れてしまう」
- 「クリーピングタイムの魅力を活かしつつ、問題を避ける方法はないの?」
読み終わる頃には、あなたの庭環境に本当にクリーピングタイムが適しているかどうかの判断材料と、植える場合の適切な管理方法がわかるでしょう。

クリーピングタイムとの上手な付き合い方を、一緒に見ていきましょう。
クリーピングタイムを庭に植えてはいけない6つの理由
クリーピングタイムは魅力的なハーブですが、庭に植える前に知っておくべき重要な問題点があります。
その香りや見た目の美しさの裏に隠れた特性を理解しておくことで、将来的な問題を避けることができるのです。
- 日本の高温多湿に弱い
- 湿気と水はけの悪さに弱い
- 生育に時間がかかる
- 雑草との競合に弱い
- 土壌条件にうるさい
- 維持管理の手間
それぞれ解説していきます。
日本の高温多湿に弱い
クリーピングタイムは日本の夏の環境に弱い特性を持っています。
原産地の地中海沿岸は乾燥した気候であるため、日本の夏特有の高温多湿環境にストレスを感じ、特に梅雨から真夏にかけては株が弱ったり、部分的に枯れたりすることが多く、最悪の場合は全体が枯死してしまうのです。
実際に、夏の高温多湿によるクリーピングタイムの問題点には以下のようなものがあります。
- 梅雨時期の長雨で根腐れを起こしやすい
- 真夏の高温で葉が黄変し、株全体が弱る
- 強い直射日光と湿度の組み合わせで蒸れやすい
これらの特性により、特に西日本や太平洋側の高温多湿の地域では、夏越しが大きな課題となります。
「地中海沿岸の植物」というのがポイントで、日本の気候とはかなり異なる環境で進化した植物であることを理解する必要があります。
湿気と水はけの悪さに弱い
クリーピングタイムは湿気と水はけの悪さに特に弱い植物です。
乾燥した環境を好むハーブであるため、水はけの悪い粘土質の土壌や、長時間湿った状態が続く環境では根腐れを起こしやすく、特に梅雨時期や長雨の後には株の中心部から腐敗が始まり、パッチ状に枯れることが多いのです。
実際に、湿気と水はけの悪さによる問題点には以下のようなものがあります。
- 粘土質の土壌では生育不良を起こしやすい
- 地植えで平坦な場所だと水がたまりやすく根腐れの原因になる
- 湿度の高い環境でうどんこ病などの病気にかかりやすい
これらの特性により、日本の多くの地域の一般的な庭土では、土壌改良なしでの栽培が難しい場合が多いです。
「夏に枯れた」という失敗例の多くは、実は高温よりも湿気と水はけの悪さが原因であることが多いのです。
生育に時間がかかる
クリーピングタイムは成長に時間がかかる植物です。
広く地面を覆うグランドカバーとして期待して植えても、実際には成長がとても遅く、株間が埋まるまでに数年かかることも珍しくなく、その間は雑草が生えるスペースができてしまい、想像していたよりもはるかに時間と手間がかかるのです。
実際に、生育の遅さによる問題点には以下のようなものがあります。
- 植え付け後1〜2年は株が小さいままで広がりにくい
- 地面を覆うまでの間、雑草対策が必要になる
- 期待通りの美しいグランドカバー効果が出るまで時間がかかる
これらの特性により、「すぐに美しい庭を作りたい」という期待には応えにくい植物と言えます。
写真や園芸書で見るような美しいマット状の景観になるまでには、通常3〜5年ほどの時間を見ておく必要があります。
雑草との競合に弱い
クリーピングタイムは雑草との競争に弱い特性を持っています。
成長が遅く、積極的に広がる力が弱いため、生育旺盛な雑草に簡単に負けてしまい、特に植え付け初期は雑草に覆われやすく、せっかく植えたクリーピングタイムが窒息してしまうことがあるのです。
実際に、雑草との競合による問題点には以下のようなものがあります。
- 植え付け初期は定期的な除草が欠かせない
- スギナやチドメグサなどの雑草に簡単に覆われてしまう
- 一度雑草に負けると回復が難しい
これらの特性により、「植えておけば雑草対策になる」という期待とは逆に、雑草対策のための手間が増えることになります。
「雑草よけのグランドカバー」というイメージとは裏腹に、むしろ雑草から守ってあげる必要がある繊細な植物なのです。
土壌条件にうるさい
クリーピングタイムは土壌条件に非常にこだわりの強い植物です。
水はけの良い痩せた土壌を好み、肥沃すぎる土や酸性の強い土では生育不良を起こしやすく、また日本の一般的な庭土は粘土質で水はけが悪いことが多いため、土壌改良なしでは思うように育たないことが多いのです。
実際に、土壌条件による問題点には以下のようなものがあります。
- 粘土質や重粘土の土壌では生育が非常に悪い
- 肥料過多で繁殖力が落ち、香りも弱くなる
- 酸性土壌を嫌い、中性〜弱アルカリ性を好む
これらの特性により、土壌改良なしに一般的な庭に植えると、期待通りの結果が得られないことが多いです。
「植えたのに全然広がらない」という失敗例の多くは、実はこの土壌条件の不適合が原因です。
維持管理の手間
クリーピングタイムは見た目以上に維持管理に手間がかかる植物です。
美しい状態を保つためには定期的な雑草抜き、枯れた部分の刈り込み、花後の軽剪定などの手入れが必要で、さらに古くなった株は中心部から枯れ上がることがあり、数年ごとに株分けや植え替えが必要になることもあるのです。
実際に、維持管理の手間に関する問題点には以下のようなものがあります。
- 雑草の侵入を防ぐための定期的な手入れが必要
- 花後は軽く刈り込んで株を更新する作業が必要
- 3〜5年で株が弱ってくるため、植え替えや株分けが必要
これらの管理作業が欠かせないため、「植えたら手間いらず」というイメージとは異なり、継続的なケアが必要です。
「一度植えたら終わり」ではなく、美しく保つには定期的な管理作業を楽しめる方に向いている植物です。


クリーピングタイムを植える場合の7つの注意点と対策
クリーピングタイムを庭に植える際には、いくつかの重要な注意点と対策を知っておくことが重要です。
適切な知識と準備があれば、クリーピングタイムの問題点を最小限に抑えつつ、その美しさと香りを楽しむことができます。
- 適切な植栽場所の選択
- 土壌改良の徹底
- 密植による早期の地面被覆
- 夏場の管理と対策
- 雑草対策
- 定期的な手入れと更新
- 品種選びの重要性
それぞれ解説していきます。
適切な植栽場所の選択
クリーピングタイムを成功させるには植栽場所の選定が非常に重要です。
日当たりが良く、風通しの良い場所を選ぶことで高温多湿による弊害を最小限に抑え、また水はけの良い場所や傾斜地を選ぶことで根腐れのリスクを減らすことができるのです。
実際に、効果的な植栽場所選択のポイントには以下のようなものがあります。
- 一日最低6時間以上の日照が確保できる場所
- 風通しの良い開けた環境
- 石垣の隙間や緩やかな傾斜地などの水はけの良い場所
これらの条件を満たす場所を選ぶことで、クリーピングタイムの生育を大きく改善することができます。
平坦な地面よりも、石垣の隙間や花壇の縁、レンガ敷きの間などの方が、はるかに生育がよいことが多いです。
土壌改良の徹底
クリーピングタイムの生育には適切な土壌環境が不可欠です。
水はけを良くするための砂や軽石、粒状の赤玉土などを多めに混ぜ込み、さらに必要に応じて石灰を加えて酸性を和らげることで、クリーピングタイムの理想的な生育環境を整えることができるのです。
実際に、効果的な土壌改良のポイントには以下のようなものがあります。
- 既存の庭土に対して30〜50%の割合で砂や軽石を混ぜる
- 酸性土壌の場合は苦土石灰などで中和する
- 肥料は控えめに、腐葉土よりも赤玉土や鹿沼土などの無機質土が適している
これらの土壌改良により、クリーピングタイムの生存率と生育速度を大幅に向上させることができます。
「痩せた土地でこそ良い香りがする」と言われるほど、肥沃すぎる土はかえって適していないことを覚えておきましょう。
密植による早期の地面被覆
クリーピングタイムの成長の遅さを補う工夫も重要です。
通常の植栽密度よりもかなり密に植えることで、地面を早期に覆うことができ、雑草の発生を抑制するとともに、植栽の見栄えも早く整い、よりスムーズに理想的なグランドカバーを実現できるのです。
実際に、効果的な密植のポイントには以下のようなものがあります。
- 通常よりも2〜3倍の密度で植える(10〜15cm間隔)
- 小さなポット苗よりも、ある程度育った大きめの苗を選ぶ
- 均等に配置して、隙間がなるべく生じないようにする
これらの対策により、通常数年かかる地面被覆を1〜2年に短縮することが可能になります。
初期投資は増えますが、管理の手間と時間を考えれば、密植は非常に効果的な戦略です。
夏場の管理と対策
クリーピングタイムの最大の弱点である夏場の対策は特に重要です。
梅雨時期から真夏にかけては、過湿を避けるために雨除けをしたり、朝の短時間のみ水やりをしたり、場合によっては軽く刈り込んで風通しを良くするなどの対策が効果的で、これらにより夏越しの成功率を高めることができるのです。
実際に、夏場の効果的な管理のポイントには以下のようなものがあります。
- 梅雨時期は必要に応じて透明な屋根や雨除けを設置する
- 水やりは朝の涼しい時間帯に行い、葉が乾く時間を確保する
- 真夏の直前に軽く刈り込んで風通しを良くする
これらの対策により、日本の夏を乗り切る確率を高めることができます。
「乾燥に強い」からといって水やりを怠ると夏場は弱りますが、かといって過湿も禁物という難しいバランスが求められます。
雑草対策
クリーピングタイムが雑草に負けないための対策も重要です。
植え付け前にしっかりと除草し、植え付け後はマルチングを施すことで雑草の発生を抑制し、また定期的な除草を行って雑草が定着する前に取り除くことで、クリーピングタイムが順調に生育できる環境を維持できるのです。
実際に、効果的な雑草対策のポイントには以下のようなものがあります。
- 植え付け前に完全に除草し、可能なら除草シートを敷く
- 植え付け後は小石や砂利などでマルチングする
- 定期的な見回りで小さな雑草のうちに除去する
これらの対策により、雑草との競合を最小限に抑え、クリーピングタイムの生育を促進することができます。
特にスギナやドクダミなどの強力な雑草は、クリーピングタイムを簡単に覆い尽くしてしまうので要注意です。
定期的な手入れと更新
クリーピングタイムの美しさを長く保つには定期的なメンテナンスが欠かせません。
花が終わった後の軽い刈り込みや、古くなって中心部が枯れてきた株の分割と植え替えなど、計画的なメンテナンスを行うことで、長期間にわたって健康で美しい状態を維持することができるのです。
実際に、定期的な手入れと更新のポイントには以下のようなものがあります。
- 花後は1/3程度の高さに軽く刈り込んで更新を促す
- 3〜4年ごとに株分けを行い、若返りを図る
- 枯れや間引きで生じた隙間には新しい苗を補植する
これらのメンテナンスにより、クリーピングタイムを長期間美しく保つことができます。
「一度植えたら終わり」ではなく、定期的な手入れを楽しめる方に向いている植物です。
品種選びの重要性
クリーピングタイムは品種によって性質が大きく異なります。
日本の気候に比較的適応しやすい品種や、蒸れに強い品種、生育の早い品種などを選ぶことで、成功率を高めることができ、特にレモンタイムやウールリータイムなどの一部の品種は日本の環境でも比較的育てやすいのです。
実際に、品種選択のポイントには以下のようなものがあります。
- ウールリータイム:白い産毛のような葉で被覆力が高い
- レモンタイム:爽やかな香りで比較的丈夫
- ドナータイム:生育が旺盛で地面を早く覆う
これらの品種を選ぶことで、クリーピングタイムの栽培成功率を高めることができます。
一般的なコモンタイムよりも、特性の異なる品種を選ぶことが成功の鍵になることが多いです。
クリーピングタイムの代わりになる6つのグランドカバー
クリーピングタイムの魅力は理解できるけれど、管理の難しさやリスクが気になる方には、代替となる優れたグランドカバーがあります。
これらの植物はクリーピングタイムに似た魅力を持ちながらも、日本の気候により適応し、管理がしやすいものです。
- セダム(マンネングサ)
- リシマキア・ヌンムラリア
- アジュガ(ジュウニヒトエ)
- ワイヤープランツ
- ヘデラ・ヘリックス(アイビー)
- ダイカンドラ
それぞれ解説していきます。
セダム(マンネングサ)
セダムは乾燥に強い多肉質のグランドカバーです。
クリーピングタイムと同様に乾燥に強いものの、より高温多湿に耐性があり、多肉質の葉と多様な色彩、形状が特徴で、水やりの手間が少なく、夏の暑さにも耐え、様々な品種があるため多様な表情を楽しめるのです。
実際に、セダムの魅力には以下のようなものがあります。
- 乾燥に非常に強く、水やりの手間が少ない
- 緑、黄色、赤、紫など様々な色彩の品種がある
- 季節によって葉色が変化する品種もあり一年中楽しめる
これらの特性により、特に水やりが不規則になりがちな方や、乾燥しやすい場所にも最適なグランドカバーです。
「カメレオン」や「アンジェリーナ」などの品種は季節によって色が変化し、一年を通して変化を楽しめます。
リシマキア・ヌンムラリア
リシマキア・ヌンムラリアは管理しやすい黄色い葉のグランドカバーです。
鮮やかな黄金色の葉と初夏の小さな黄色い花が特徴で、クリーピングタイムよりも暑さに強く、成長もやや早めで被覆力があり、日陰から日向まで幅広い環境に適応する汎用性の高さを持つのです。
実際に、リシマキア・ヌンムラリアの魅力には以下のようなものがあります。
- 黄金色の丸い葉が一年中美しい
- 初夏に小さな黄色い花を咲かせる
- クリーピングタイムより耐暑性・耐湿性に優れる
これらの特性により、より管理が容易で、夏場も美しさを保てるグランドカバーとして優れています。
「オーレア」という黄金葉の品種は特に人気があり、庭に明るいアクセントを加えてくれます。
アジュガ(ジュウニヒトエ)
アジュガは日本の気候に適した丈夫なグランドカバーです。
美しい葉色と初夏の青紫色の花が特徴で、日本の気候に適応し、特に半日陰でよく育ち、クリーピングタイムより高温多湿に強く、生育も早いため短期間でグランドカバー効果を発揮するのです。
実際に、アジュガの魅力には以下のようなものがあります。
- 春に青紫色の花を咲かせる
- 葉に斑入りや紫色など美しい色彩のバリエーションがある
- 半日陰〜日陰でも元気に育つ
これらの特性により、日本の気候に適応し、クリーピングタイムより管理がしやすいグランドカバーとして人気があります。
「レプタンス・バーガンディグロウ」などの品種は紫色の葉が美しく、開花時以外も観賞価値があります。
ワイヤープランツ
ワイヤープランツは繊細な葉が美しいグランドカバーです。
細い茎と小さな丸い葉が特徴で、クリーピングタイムより高温多湿に適応しやすく、生育も比較的早く、日陰から半日陰での栽培に適し、剪定にも強いため思い通りの形に整えやすいのです。
実際に、ワイヤープランツの魅力には以下のようなものがあります。
- 細く緑の茎と小さな葉が繊細な印象を与える
- 這うように広がって程よく地面を覆う
- 寄せ植えの縁取りとしても優れている
これらの特性により、クリーピングタイムより繊細で管理がしやすいグランドカバーとして優れています。
鉢植えからはみ出して垂れ下がる姿も美しく、ハンギングバスケットの素材としても人気があります。
ヘデラ・ヘリックス(アイビー)
ヘデラ・ヘリックスは丈夫で生育の早いつる性植物です。
美しい葉形と斑入り品種の豊富さが特徴で、耐陰性に優れ、日陰でも良く育ち、生育が早く短期間でグランドカバー効果を発揮し、クリーピングタイムより高温多湿に強く、雑草抑制効果も高いのです。
実際に、ヘデラ・ヘリックスの魅力には以下のようなものがあります。
- 一年中美しい常緑の葉を楽しめる
- 様々な斑入りやカラーリーフの品種がある
- 日陰でも良く育ち、どんな環境でも適応する
これらの特性により、特に日陰のグランドカバーとして、また雑草対策としても優れた選択肢となります。
「グレイシャー」や「ゴールドチャイルド」などの斑入り品種は、単調になりがちな日陰を明るく彩ります。
ダイカンドラ
ダイカンドラは芝生のような見た目のグランドカバーです。
小さな丸い葉が密生して芝生のような美しい緑の絨毯を作り、踏圧に強いため歩ける場所にも利用でき、クリーピングタイムより高温多湿に強く、真夏の直射日光以外なら強い日差しにも耐え、生育も早いのです。
実際に、ダイカンドラの魅力には以下のようなものがあります。
- 芝生のような美しい緑の絨毯を形成する
- 軽い踏圧なら耐えられるため、歩ける部分にも使える
- 春に小さな黄色い花を咲かせ、かわいらしい
これらの特性により、クリーピングタイムよりも管理が容易で、より実用的なグランドカバーとして優れています。
ダイカンドラは夏場でも水切れさえ防げばある程度の暑さには耐え、日本の気候に適応しやすいグランドカバーです。
クリーピングタイムに関するよくある質問
クリーピングタイムの栽培や管理に関する一般的な疑問について、詳しく解説します。
これらの情報を参考に、より効果的にクリーピングタイムと付き合うための知識を深めましょう。
- クリーピングタイムはどのくらいの速さで広がる?
- クリーピングタイムは日陰でも育つ?
- クリーピングタイムの花はいつ咲く?
- クリーピングタイムの香りを強くするコツは?
それぞれ解説していきます。
クリーピングタイムはどのくらいの速さで広がる?
クリーピングタイムの広がる速度には一定の特徴があります。
一般的に、理想的な環境下でも広がりはかなり遅く、1年目はほとんど株元付近にとどまり、2年目から少しずつ広がり始め、3〜5年目で初めて満足のいくグランドカバー効果が得られることが多いのです。
実際に、広がりの速度に関するポイントには以下のようなものがあります。
- 1年目:数cm程度の広がりにとどまることが多い
- 2年目:株元から10〜15cm程度広がる
- 3年目以降:条件が良ければ年間20〜30cm程度広がる
これらの成長パターンを理解し、現実的な期待値を持つことが重要です。
「広がりが遅い」と感じる方も多いですが、これが自然な成長速度なので、焦らず気長に育てることがポイントです。
クリーピングタイムは日陰でも育つ?
クリーピングタイムの日照条件についての疑問は多いようです。
基本的に日向を好む植物であり、十分な日照がなければ成長が著しく遅くなるだけでなく、蒸れやすくなって病気のリスクも高まるため、半日陰でも生存はできても健全な生育と美しい姿を期待するなら、最低でも1日6時間以上の日照が必要なのです。
実際に、日照条件に関するポイントには以下のようなものがあります。
- 完全な日陰では生育が非常に悪く、枯死することも多い
- 半日陰では生存できるが、徒長して美しい姿にならない
- 最低でも1日6時間以上の直射日光が理想的
これらの点から、日陰のグランドカバーとしては適していないことがわかります。
日陰のグランドカバーを探しているなら、ヘデラ・ヘリックス(アイビー)やアジュガなどの方がはるかに適しています。
クリーピングタイムの花はいつ咲く?
クリーピングタイムの開花時期には一定のパターンがあります。
主な開花時期は初夏の5〜6月頃で、品種や気候によって若干前後するものの、約2〜3週間ほどの比較的短い開花期間となり、条件が良ければ秋に小規模な二番花が咲くこともあるのです。
実際に、開花に関するポイントには以下のようなものがあります。
- 地域によるが、関東以南では5月中旬〜6月中旬が一般的
- 開花期間は約2〜3週間程度
- 花後に刈り込むと9〜10月頃に小規模な二番花が咲くことも
これらの開花特性を理解し、庭の季節ごとの景観計画に役立てることができます。
見頃は短いものの、ピンク、白、紫など品種によって花色が異なるため、複数の品種を植えると変化を楽しめます。
クリーピングタイムの香りを強くするコツは?
クリーピングタイムの香りを最大限に引き出すコツがあります。
やや痩せた土壌で育て、十分な日照を確保し、適度な水ストレスを与えることで香り成分の生成が促進され、特に肥料を控えめにすることが香りの強さには重要で、踏むと香りが立つように植えることでその効果を楽しむことができるのです。
実際に、香りを強くするポイントには以下のようなものがあります。
- 肥料は最小限に抑え、やや痩せた土壌で育てる
- 日照を十分に確保し、日向で育てる
- 水やりは控えめにし、軽い乾燥ストレスを与える
これらの栽培法を実践することで、より芳香性の高いクリーピングタイムを育てることができます。
一般的に「植物は多少厳しい環境のほうが香りが強くなる」という原則が、クリーピングタイムにも当てはまります。
まとめ:クリーピングタイムを上手に楽しむためのポイント
クリーピングタイムを庭に植える際の注意点と対策について詳しく見てきました。ここで重要なポイントをまとめてみましょう。
クリーピングタイムは爽やかな香りと美しい花を持つグランドカバーですが、日本の高温多湿に弱く、水はけの悪さに弱い、生育が遅い、雑草との競合に弱い、土壌条件にうるさい、維持管理に手間がかかるなどの課題があります。しかし、適切な植栽場所の選択、土壌改良の徹底、密植による早期の地面被覆、夏場の管理対策、雑草対策、定期的な手入れと更新、適切な品種選びなどの対策を講じることで、これらの問題を最小限に抑えつつ、クリーピングタイムの魅力を楽しむことができます。
もし管理の手間やリスクを避けたい場合は、セダム、リシマキア・ヌンムラリア、アジュガ、ワイヤープランツ、ヘデラ・ヘリックス、ダイカンドラなどの代替となるグランドカバーも検討する価値があります。これらの植物はクリーピングタイムに似た魅力を持ちながらも、日本の気候により適応し、管理がしやすい特性を持っています。
結局のところ、クリーピングタイムは「植えてはいけない」というよりも、「その特性をよく理解した上で、適切な場所と管理方法で植える」ことが大切な植物です。 適切な知識と準備があれば、その爽やかな香りと美しい花を存分に楽しみながら、後悔のないガーデニングができるでしょう。
クリーピングタイムを成功させる3つのポイント
- 水はけの良い土壌を作り、日当たりの良い場所に植える
- 夏場の高温多湿対策を徹底し、風通しを確保する
- 密植と定期的な手入れで美しい状態を維持する
クリーピングタイムの特性を理解して適切に管理すれば、その爽やかな香りと美しい姿を楽しみながら、「植えて後悔した」という事態を避けることができますよ!