庭に植えたオキザリスが思った以上に広がってしまい、困っているという声をよく耳にします。可愛らしい花を咲かせるオキザリスですが、増えすぎてしまうと他の植物の生育を妨げたり、管理が追いつかなくなったりする問題が生じます。
オキザリスが増えすぎる理由には球根の分球や地下茎の伸長、種子の飛散など複数の繁殖方法が関係しており、一度植えると制御が難しい植物として知られています。
この記事では、オキザリスが増えすぎてしまう具体的な理由と、増えすぎた時の効果的な対処法について、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
球根を土ごと掘り起こす方法や防草シートを使った光遮断、除草剤の選び方、鉢植えでの管理方法など、状況に応じた対策をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
- オキザリスが増えすぎる4つの繁殖方法と爆発的な増殖メカニズムを理解できる
- 地植えと鉢植えの違いや植えてはいけないと言われる理由がわかる
- 球根の掘り起こしから除草剤まで具体的な駆除方法を学べる
- 増えすぎを防ぐための予防策と鉢植え管理のコツがわかる
オキザリスが増えすぎる理由

| 増えすぎる理由 | 内容 |
|---|---|
| 繁殖方法が多様 | 球根の分球、地下茎、種子、ムカゴの4つの方法で増殖 |
| 繁殖力が強力 | 特別な手入れ不要で自然に増え続ける |
| 環境適応力が高い | 乾燥や日陰、寒さにも強く丈夫 |
| 成長スピードが速い | 短期間で広範囲に拡大する |
オキザリスの特徴と基本情報
オキザリスはカタバミ科カタバミ属に分類される球根植物で、世界中に850種以上の品種が存在します。原産地は南アフリカや南アメリカが中心で、日本でも観賞用として多くの園芸品種が流通しています。クローバーに似た三つ葉や四つ葉の葉を持ち、日中に花を開き夜には閉じるという特徴的な性質があります。
花色はピンク、白、黄色、オレンジ、赤など非常に豊富で、開花時期は品種によって春咲き、秋咲き、四季咲きに分かれます。オキザリスという名前はギリシャ語で酸っぱいを意味する言葉が由来となっており、葉や茎にシュウ酸を含むため酸味があるのが特徴です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 科名・属名 | カタバミ科カタバミ属 |
| 原産地 | 南アフリカ、南アメリカなど |
| 品種数 | 850種以上 |
| 葉の特徴 | 三つ葉または四つ葉、クローバーに似た形状 |
| 花色 | ピンク、白、黄色、オレンジ、赤など |
| 開花時期 | 品種により春、秋、四季咲き |
| 花の性質 | 日中に開花し夜には閉じる |
| 花言葉 | 輝く心、決してあなたを捨てません、喜び、母の優しさ |
花言葉には輝く心、決してあなたを捨てません、喜び、母の優しさという温かいメッセージが込められています。輝く心という花言葉は、古代にシュウ酸を含む葉や茎で金属の鏡や神具を磨いていたことに由来するといわれています。
4つの繁殖方法で爆発的に増える
オキザリスが増えすぎる最大の理由は、複数の繁殖方法を同時に持っていることにあります。一般的な植物は種子や分球など1つから2つの方法で増えますが、オキザリスは実に4つの異なる方法で繁殖することができます。
球根の分球による繁殖
オキザリスは球根植物であり、地中の球根が自然に分球して増えていきます。親球根の周りに子球根ができ、それぞれが独立した株として成長します。特別な手入れをしなくても2年から3年で球根の数が数倍に増えることも珍しくありません。鉢植えの場合は根詰まりを起こすほど球根が増えることもあります。
地下茎による繁殖
一部の品種は地下茎を横方向に伸ばして繁殖します。地下茎の先端に新しい球根を作り、そこから芽を出して新しい株を形成します。この方法により、親株から離れた場所にも次々と新しい株が現れることになります。地下茎は土の中を這うように広がるため、地上からは見えず、気づいたときには広範囲に拡大しているケースが多いです。
種子による繁殖
オキザリスは花後に蒴果という実をつけ、熟すと勢いよく種を飛ばします。種子は非常に小さく軽いため、風に乗って広範囲に散布されます。発芽率も高く成長スピードも速いため、種子からの繁殖も増えすぎる大きな要因となっています。
ムカゴによる繁殖
品種によっては地上部の葉のわき芽にムカゴと呼ばれる小さな球根状の器官をつけることがあります。このムカゴが地面に落ちると発根して新しい株になります。ムカゴは軽いため風で飛ばされたり、雨で流されたりして思わぬ場所に運ばれることもあります。
他の植物が1つから2つの繁殖方法しか持たないのに対し、オキザリスはこれら4つすべての方法を駆使して増えるため、制御が非常に難しい植物となっています。
植えっぱなしでも勝手に増殖する
オキザリスの厄介な点は、植えっぱなしで放置していても自然に増殖し続けることです。多くの球根植物は定期的な掘り上げや植え替えが必要ですが、オキザリスはそうした手入れがなくても旺盛に生育します。
むしろ、手入れ不要で育つ丈夫さが裏目に出て、気づいたときには想定外の範囲まで広がっているケースが多いです。特に地植えにした場合は横方向への広がりを制限するものがないため、数年で庭全体を覆ってしまうこともあります。
花後に種子が飛散しても気づかず、翌年には離れた場所から新しい芽が出てくることもよくあります。球根も土の中で勝手に分球し、地下茎も伸び続けるため、地上部だけを刈り取っても根本的な解決にはなりません。
環境適応力が高く丈夫すぎる
オキザリスが増えすぎる背景には、非常に高い環境適応力があります。本来は日当たりと水はけの良い環境を好む植物ですが、多少の日陰でも十分に育ちます。乾燥にも強く、水やりを忘れても枯れることはほとんどありません。
耐寒性も品種によってはマイナス5度程度まで耐えられるものもあり、温暖地では冬越しも容易です。少しの土があれば根を張ることができ、コンクリートの隙間やレンガの間などわずかなスペースでも生育します。
| 環境条件 | オキザリスの適応力 |
|---|---|
| 日照 | 日向を好むが半日陰でも育つ |
| 水分 | 乾燥に強く水やり不要でも生育 |
| 温度 | 品種により-5度程度まで耐寒性あり |
| 土壌 | 少量の土でも根付く |
| 場所 | コンクリートの隙間でも生育可能 |
このような丈夫さから、日本の気候に非常によく適応し、一度根付くと駆除が難しい雑草として扱われることもあります。園芸品種として流通しているものでも、野生化すると制御不能になる可能性があります。
オキザリスが植えてはいけないと言われる理由
園芸愛好家の間で、オキザリスは植えてはいけない植物と言われることがあります。これは決して毒性があるという意味ではなく、繁殖力の強さが原因です。
制御不能になる繁殖力
前述の通り、オキザリスは4つの繁殖方法を持ち、植えっぱなしでも爆発的に増えます。一度地植えにすると完全に取り除くことが極めて困難で、何年もかけて駆除作業を続けなければならないケースもあります。球根を掘り残すとそこからまた増え始めるため、根絶は至難の業です。
他の植物への悪影響
オキザリスが増えすぎると、隙間なく地表を覆ってしまい、他の植物が生育するスペースを奪います。土中の栄養分や水分を巡る競争でも、繁殖力の強いオキザリスが優位に立ちます。日光も遮られるため、元から植えていた草花が弱って枯れてしまうことがあります。
景観を支配してしまう
当初は一部のスペースに植えたつもりでも、数年で庭全体がオキザリスで覆われてしまうことがあります。他の植物とのバランスが崩れ、オキザリス一色の景観になってしまうのです。四季折々の変化を楽しむ庭づくりには向かない面があります。
隣家への侵入リスク
地下茎や種子によって、自分の庭を越えて隣家の敷地にまで広がってしまう可能性があります。隣家がガーデニングを楽しんでいる場合、オキザリスの侵入は大きなトラブルの原因になります。近隣関係にも影響が出る恐れがあるため、植える際は十分な注意が必要です。
一部のオキザリスは外来生物として注意が必要とされており、地域の生態系への影響も懸念されています。国立環境研究所の侵入生物データベースでは、外来種の影響について詳しい情報が提供されていますので、植栽前に確認することをおすすめします。

特に注意すべきオキザリスの種類
オキザリスの中でも、特に繁殖力が強く注意が必要な品種があります。園芸店で購入する際は、品種の特性をよく確認することが大切です。
桃の輝き
桃の輝きは美しいピンク色の花を咲かせる人気品種ですが、地下茎を旺盛に伸ばして爆発的に増える特徴があります。地植えにすると数年で庭全体に広がってしまう可能性が高く、必ず鉢植えで管理することをおすすめします。
オキザリス・コルニクラタ(カタバミ)
日本全土に分布する雑草タイプのオキザリスで、最も駆除が困難な種類の一つです。匍匐性の茎を持ち、地表を這うように広がります。種子の飛散能力も高く、一度侵入すると完全に取り除くのは非常に難しいです。
匍匐性の茎を持つ品種全般
地上部の茎が這うように伸びるタイプの品種は、茎の節々から根を下ろして新しい株を作ります。このタイプは広がるスピードが特に速く、短期間で広範囲を覆ってしまいます。購入時に匍匐性かどうかを確認し、匍匐性の場合は地植えを避けるべきです。
地植えと鉢植えの増え方の違い
オキザリスを管理する上で、地植えと鉢植えでは増え方に大きな違いがあります。この違いを理解することが、増えすぎを防ぐ第一歩となります。
| 地植え | 鉢植え |
|---|---|
| 水やりの手間が少ない 植え替え不要で放置できる 球根が大きく育つ 制限なく横に広がる 駆除が極めて困難 他の植物を圧迫する 隣家への侵入リスク | 繁殖範囲を限定できる 管理がしやすい 移動が可能 球根の数を調整できる 定期的な水やりが必要 2~3年で植え替えが必要 |
地植えの場合、球根や地下茎の広がりに物理的な制限がないため、理論上は無限に拡大し続けます。種子も風で飛ばされ、庭全体に散布されます。一度地植えにすると、土を全て入れ替えるか、何年もかけて駆除し続けるしか対処法がありません。
一方、鉢植えの場合は鉢の大きさによって広がる範囲が制限されます。球根が増えすぎれば植え替え時に数を調整できますし、種子の飛散範囲も限られます。オキザリスを楽しみたいなら鉢植え管理が絶対におすすめです。
オキザリスが増えすぎた時の対処法

| 対処法 | 効果 | 難易度 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| 球根を掘り起こす | 高い(根本的解決) | 体力が必要 | ★★★★★ |
| 防草シート | 中〜高い | 比較的簡単 | ★★★★☆ |
| 除草剤 | 高い | 簡単 | ★★★☆☆ |
| 熱湯 | 低い(限定的) | 簡単 | ★★☆☆☆ |
| 鉢植えに切替 | 高い(予防) | 中程度 | ★★★★★ |
球根を土ごと掘り起こす方法
オキザリスが増えすぎた場合の最も基本的かつ確実な対処法は、球根を土ごと掘り起こすことです。地上部だけを刈り取っても、土の中の球根や地下茎が残っていれば再び芽を出してきます。
まずは地上部の葉や茎がどこまで広がっているかを確認します。地下では地上部よりも広い範囲に球根や地下茎が伸びている可能性があるため、見えている範囲よりも広めに掘り起こす必要があります。
スコップを使って、地上部の範囲よりも20センチから30センチ程度外側まで、深さ30センチ以上掘り起こします。球根を崩さないように土ごとごっそりと取り除くのがポイントです。少しでも根や球根を残すと、そこから再生してしまいます。
掘り起こした土をふるいにかけ、小さな球根や地下茎の破片が残っていないか丁寧に確認します。米粒サイズの小さな球根でも残っていれば再生するため、この作業は非常に重要です。
掘り起こした球根は、燃えるゴミとして処分するか、透明な袋に入れて天日干しにして完全に枯らしてから処分します。絶対にコンポストや庭の隅に放置しないでください。そこから再び芽を出す可能性があります。
作業に適した時期は、春や秋の植え替えシーズンです。真夏や真冬は植物にとってストレスが大きく、また作業する人にとっても厳しい環境となります。必要な道具はスコップ、手袋、ふるい、ゴミ袋などです。
広範囲に広がっている場合は、一度に全てを掘り起こすのは困難です。区画を分けて少しずつ作業を進めるか、専門の業者に依頼することも検討しましょう。
防草シートやダンボールで光を遮断する
球根を掘り起こした後、または掘り起こしが困難な場合に有効なのが、光を遮断して光合成を防ぐ方法です。植物は光合成ができなければ成長できず、やがて枯れていきます。
ダンボールマルチの方法
ダンボールマルチは、身近な材料を使った環境に優しい方法です。まず、オキザリスが生えている土の表面を可能な限り平らにします。その上に、ダンボールを何枚も重ねて広範囲に敷き詰めます。
ダンボールの端は10センチから15センチ程度重ねて、隙間を一切作らないようにすることが重要です。隙間があるとそこから光が入り、オキザリスが芽を出してしまいます。ダンボールの上に土や砂利を乗せて固定すると、風で飛ばされる心配がありません。
ダンボールは時間とともに分解されますが、その間に地下の球根が光を得られず徐々に弱っていきます。効果が出るまでには3ヶ月から半年程度かかりますが、根気よく続けることが大切です。
防草シートを使う方法
より耐久性が高く長期的な対策を望む場合は、防草シートが効果的です。防草シートは光を通さない素材でできており、ダンボールよりも遮光性に優れています。
敷設方法はダンボールマルチと同様ですが、シートの端を地面にピンで固定し、さらに上から砂利や人工芝を敷くとより効果的です。防草シートは数年間効果が持続するため、完全に駆除するまでの期間を確実に管理できます。
除草剤を使った駆除方法
広範囲にオキザリスが増えてしまい、手作業での駆除が現実的でない場合は、除草剤の使用が最終手段となります。ただし、除草剤は使い方を誤ると他の植物や環境に悪影響を及ぼす可能性があるため、慎重に使用する必要があります。
グリホサート系除草剤の効果
オキザリスに最も効果的な除草剤は、グリホサート系の除草剤です。グリホサートは植物のアミノ酸合成を阻害する成分で、葉や茎から吸収されて根まで到達し、植物全体を枯らします。
使用する際は、オキザリスの葉にしっかりと液がかかるように散布します。1回の散布では完全に枯れないことが多いため、2週間から3週間の間隔を空けて数回に分けて散布するのが効果的です。
芝生がある場合の選び方
芝生の中にオキザリスが侵入してしまった場合は、芝生を枯らさずに雑草だけを駆除できる選択性除草剤を使用します。MCPP配合のシバキープシリーズやエコパートフロアブルなどが効果的です。
| 除草剤のタイプ | 特徴 | 適用場所 |
|---|---|---|
| グリホサート系 | 根まで枯らす・芝生も枯れる | 芝生がない場所 |
| 選択性除草剤 | 芝生は残し雑草だけ枯らす | 芝生の中 |
| 液体タイプ | 速効性あり・散布しやすい | 既に生えている雑草 |
| 粒剤タイプ | 長期間効果持続・予防効果 | 駆除後の予防 |
除草剤使用の注意点
除草剤を使用する際は、必ず製品の使用方法と注意事項を守ってください。風の強い日は周囲に飛散する恐れがあるため避けます。ペットや小さな子供がいる家庭では、散布後は立ち入り禁止にし、完全に乾くまで近づけないようにします。
除草剤を散布した後は、枯れた植物をそのまま放置せず、きちんと回収して処分します。環境への配慮から、必要最小限の量にとどめ、薬剤を使わない方法を優先することが推奨されます。
除草剤は最終手段として考え、まずは手作業での駆除や光遮断など、環境負荷の少ない方法から試すことをおすすめします。
熱湯で駆除する方法
コンクリートの隙間やレンガの間など、限定的な場所に生えているオキザリスには、熱湯をかける方法が有効です。熱湯は植物の細胞を破壊し、地上部を枯らすことができます。
沸騰したお湯を直接オキザリスにかけると、葉や茎はすぐにしおれて枯れます。安全で環境に優しく、薬剤を使いたくない場所に適した方法です。ただし、根や球根まで完全に枯らすことは難しいため、繰り返し行う必要があります。
熱湯を使う際は、周囲に残したい植物がないか確認し、やけどをしないよう十分注意してください。広範囲に使用するには大量のお湯が必要で効率が悪いため、あくまで限定的な場所での補助的な方法として考えましょう。
鉢植えでの管理に切り替える
地植えで増えすぎたオキザリスを駆除した後、あるいはこれからオキザリスを育てる場合は、鉢植えでの管理が最も効果的な予防策となります。
地植えから鉢植えへの移行
すでに地植えになっているオキザリスを鉢植えに移す場合は、まず球根を丁寧に掘り上げます。健康そうな球根を選び、適切なサイズの鉢に植え替えます。残りの球根は処分し、元の場所には防草シートを敷くなどして再発を防ぎます。
鉢のサイズと材質の選び方
鉢のサイズは5号から6号程度が管理しやすくおすすめです。大きすぎる鉢だと球根が増えすぎてしまうため、あまり大きなものは避けます。材質は素焼きやプラスチックなど何でも構いませんが、底に穴がしっかり開いているものを選びます。
鉢底から根が出ないようにする工夫
鉢を地面に直接置くと、底穴から根や地下茎が地面に侵入してしまうことがあります。必ず鉢スタンドやレンガの上に置いて、鉢底が地面に接触しないようにします。鉢皿を使う場合も、皿と地面の間に隙間を作りましょう。
種が飛ばないようにする対策
花が終わったら、種ができる前に花茎を切り取ります。これにより種子の飛散を防ぎ、鉢の外に広がるリスクを大幅に減らせます。花を楽しんだ後はこまめに花がら摘みを行う習慣をつけましょう。
増えた球根の数を定期的に減らす
オキザリスを楽しみたいが増やしたくないという場合は、定期的な球根の整理が効果的です。鉢植えでも地植えでも、年に1回から2回は球根の状態をチェックすることをおすすめします。
植え替え時期に球根を掘り上げて、必要な分だけを残して残りは処分します。健康で大きな球根を5個から10個程度残し、小さな球根や弱った球根は思い切って捨てましょう。これにより、翌年の球根数を適切に保つことができます。
球根の処分方法としては、燃えるゴミとして出すか、透明な袋に入れて天日干しにして完全に枯らす方法があります。友人や知人にオキザリスを育てたい人がいれば譲るのも良いでしょう。ただし、相手には増えすぎるリスクをきちんと説明してから譲ることが大切です。
定期的な球根整理を習慣化することで、オキザリスと長く上手に付き合うことができます。手間はかかりますが、増えすぎて困る事態を防ぐ確実な方法です。
他の植物への影響を最小限にする工夫
どうしてもオキザリスを地植えで育てたい場合や、すでに広がってしまったが完全駆除は難しい場合は、他の植物への影響を最小限に抑える工夫をしましょう。
オキザリスの周りには、同じく繁殖力の強い植物や丈夫な多年草を配置します。競争に強い植物であれば、オキザリスに圧迫されにくくなります。また、物理的な仕切りとして、レンガやプラスチック製の根切り板を地中30センチ程度まで埋め込むと、地下茎の侵入を防げます。
定期的に庭を見回り、オキザリスが想定外の場所に広がっていないかチェックします。早期に発見して対処すれば、大事に至る前に食い止めることができます。境界線を明確にし、その範囲内だけでオキザリスを管理する意識を持つことが重要です。
よくある質問
- オキザリスは完全に駆除できますか
-
完全駆除は非常に困難ですが、不可能ではありません。球根を土ごと丁寧に掘り起こし、小さな球根の破片も残さないよう注意深く作業することが重要です。掘り起こした後は防草シートで光を遮断し、数ヶ月から半年かけて根絶を目指します。それでも数年間は再発の可能性があるため、定期的な見回りと早期対処を続ける必要があります。根気強く対処を続けることで、最終的には完全駆除も可能です。
- オキザリスに毒性はありますか
-
オキザリスの葉や茎にはシュウ酸が含まれています。シュウ酸は酸味の元となる成分で、少量であれば人体への影響は少ないとされていますが、大量に摂取すると胃腸障害を引き起こす可能性があります。ペットや小さな子供が葉を噛んだり食べたりしないよう注意が必要です。特に犬や猫は好奇心から葉を噛むことがあるため、ペットのいる家庭では手の届かない場所で管理することをおすすめします。万が一大量に摂取した場合は、速やかに医療機関を受診してください。
- オキザリスとカタバミの違いは何ですか
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オキザリスとカタバミは、実は同じカタバミ科カタバミ属の植物です。オキザリスは観賞用として流通する園芸品種全般を指し、カタバミは日本に自生する雑草タイプを指すことが多いです。具体的には、オキザリス・コルニクラタという種がいわゆるカタバミと呼ばれます。園芸品種のオキザリスは花が大きく色鮮やかですが、カタバミは小さな黄色い花を咲かせます。ただし、どちらも繁殖力が強く増えすぎる性質は共通しています。
- 冬の間もオキザリスは増えますか
-
オキザリスの休眠期は品種によって異なります。秋植え品種は冬に成長し夏に休眠し、春植え品種は夏に成長し冬に休眠します。休眠期には地上部が枯れて見えなくなりますが、地中の球根は生きており、適切な時期になれば再び芽を出します。冬に休眠するタイプは冬の間は増殖が止まりますが、球根自体は土の中に残っているため、春になれば再び活発に増え始めます。休眠中も油断せず、駆除作業を進めることが重要です。
- 隣家に広がってしまった場合はどうすれば良いですか
-
オキザリスが隣家の敷地に侵入してしまった場合は、まず早めに謝罪と説明を行うことが大切です。放置すると近隣トラブルに発展する可能性があります。自分の責任であることを認め、駆除に協力する姿勢を示しましょう。隣家の許可を得て、侵入した部分を責任を持って駆除します。境界線には根切り板を埋め込むなど、再発防止の対策も併せて行います。日頃からコミュニケーションを取り、問題が小さいうちに対処することでトラブルを回避できます。
- オキザリスを育てたいが増やしたくない場合の工夫はありますか
-
オキザリスを楽しみながら増やさない最善の方法は、鉢植え管理を徹底することです。鉢を地面から浮かせて設置し、底穴から根が地面に侵入しないようにします。花が終わったらすぐに花茎を切り取り、種を飛ばさないようにします。年に1回から2回は植え替えを行い、増えた球根を整理して適切な数に保ちます。鉢から溢れた株や種子が地面に落ちた場合は、見つけ次第すぐに取り除きます。これらの対策を習慣化することで、増えすぎを防ぎながらオキザリスの美しい花を楽しむことができます。
オキザリスの増えすぎ対策は早めの行動がカギ
- オキザリスは球根の分球、地下茎、種子、ムカゴの4つの方法で爆発的に増える
- 植えっぱなしでも自然に増殖し続ける強い繁殖力を持つ
- 乾燥や日陰、寒さにも強く非常に丈夫な植物である
- 地植えにすると制御不能になり他の植物の生育を妨げる
- 桃の輝きやオキザリス・コルニクラタは特に繁殖力が強い
- 地植えと鉢植えでは増え方に大きな差があり鉢植えが管理しやすい
- 駆除の基本は球根を土ごと掘り起こし小さな破片も残さないこと
- 防草シートやダンボールで光を遮断すると3ヶ月から半年で効果が出る
- グリホサート系除草剤は広範囲の駆除に有効だが環境への配慮も必要
- 芝生の中のオキザリスにはMCPP配合の選択性除草剤を使用する
- 熱湯での駆除はコンクリートの隙間など限定的な場所に適している
- 鉢植え管理では鉢を地面から浮かせて底穴からの侵入を防ぐ
- 花後すぐに花茎を切り取ると種子の飛散を防げる
- 年1回から2回の植え替えで球根の数を調整すると増えすぎを防げる
- 定期的な見回りと早期対処が増えすぎ防止の鍵となる
