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紫陽花の花が咲かない原因と対策について

梅雨の季節を彩る紫陽花ですが、大切に育てているのに花が咲かないという悩みをお持ちの方は少なくありません。紫陽花の花が咲かない原因には、剪定時期や剪定位置の間違い、肥料の過不足、日照不足、水やりの問題などさまざまな要因があります。特に紫陽花の花が咲かない原因として最も多いのが剪定の失敗で、旧枝咲きと新枝咲きの違いを理解せずに誤った時期に剪定してしまうケースが頻繁に見られます。

また、窒素過多でリン酸が不足すると葉ばかりが茂って花がつかなくなったり、鉢植えで根詰まりを起こしていたり、寒風害で花芽が枯死してしまったりすることもあります。紫陽花の花が咲かない時の対処法としては、正しい剪定方法を実践すること、半日陰程度の適切な日当たりを確保すること、リン酸を多く含む肥料を与えることなどが挙げられます。地植えでも鉢植えでも、アナベルやノリウツギなどの新枝咲き品種を選ぶと剪定が簡単で失敗が少なくなります。

この記事では、紫陽花が咲かない具体的な理由とその解決策について、初心者の方にも分かりやすく詳しく解説していきます。

この記事のポイント
  • 紫陽花の花が咲かない主な原因7つと見分け方
  • 剪定時期と位置の正しい方法と失敗しないコツ
  • 肥料・水やり・日照など育て方の具体的な改善策
  • 品種別の剪定方法と初心者におすすめの品種
目次

紫陽花の花が咲かない原因

紫陽花の花が咲かない原因
原因対処の難易度発生頻度
剪定ミス★★☆非常に多い
日照不足★☆☆多い
肥料の問題★☆☆多い
水切れ★☆☆やや多い
寒風害★★☆地域による
根詰まり★☆☆鉢植えで多い
購入翌年★☆☆よくある
植え替え直後★☆☆一時的

紫陽花の特徴と基本情報を知っておこう

紫陽花の花が咲かない原因を理解する前に、まず紫陽花の基本的な特徴を押さえておくことが大切です。紫陽花は落葉低木で、品種によっては2~3メートルの高さにまで成長します。

項目内容
分類アジサイ科アジサイ属の落葉低木
開花時期5月~7月(梅雨の時期)
花色青、紫、ピンク、白など
樹高1~3m(品種による)
耐寒性強い
耐暑性やや弱い
花言葉移り気、辛抱強い愛情、家族団らん

紫陽花の最も重要な特徴は、今年伸びた枝には翌年花がつかないという点です。紫陽花の花芽は、今年伸びた枝の下に位置する、昨年伸びた枝の付け根に秋頃形成されます。つまり、今年伸びた枝に2年越しで花が咲くという仕組みです。

また、紫陽花は花のつき方によって「旧枝咲き」と「新枝咲き」の2つのタイプに分類されます。大半の紫陽花は旧枝咲きで、前年に伸びた枝に花をつけます。一方、アナベルやノリウツギなどの新枝咲き品種は、今年伸びた新しい枝に花をつけるため、剪定の失敗が少なくなります。

紫陽花の花芽形成時期は夏の終わりから秋にかけてなので、この時期より前に剪定を済ませることが翌年の開花を確実にする重要なポイントです。

剪定時期と剪定位置を間違えている

紫陽花の花が咲かない原因として圧倒的に多いのが剪定時期と剪定位置の間違いです。正しい時期に正しい位置で剪定しないと、翌年咲くはずだった花芽を切り落としてしまうことになります。

剪定時期を間違えると花芽を切ってしまう

旧枝咲きの紫陽花(一般的な品種)の適切な剪定時期は、花が終わった直後の6月下旬~7月中旬までです。遅くとも8月初旬には剪定を終わらせる必要があります。

秋以降に剪定してしまうと、すでに形成されている翌年の花芽を切り落としてしまうため、翌年花が咲きません。特に、春先(3月~5月)の剪定は初心者には困難で、すでに膨らみ始めている花芽を誤って切ってしまう危険性が高いです。

7月までの剪定秋以降の剪定
花芽が未形成で安全
枝を短く切れる
脇芽の成長を促せる
翌年確実に咲く
花芽を切るリスク大
翌年花が咲かない
大きく切れない
判別が難しい

剪定位置を間違えると花芽がつかない

剪定する位置も非常に重要です。紫陽花の花のすぐ下の節には花芽がつかないという特性があります。正しい剪定位置は、花から2~3節下の充実した脇芽が出ている上です。

脇芽の約2cm上でカットすることで、その脇芽が夏の間に伸びて枝になり、秋にその先に花芽が形成されます。4~5節下になると花芽がつくか不安定になるため、確実に花を咲かせたい場合は2~3節下で剪定しましょう。

今年花が咲かなかった枝は、充実していれば翌年開花する可能性が高いので、剪定せずに残しておくことをおすすめします。

二段階剪定で樹形を整える

紫陽花の剪定は、花後の剪定と冬の剪定を組み合わせた「二段階剪定」が理想的です。花後の剪定で花柄を取り除き、冬の休眠期(11月~3月)に不要な枝を整理します。

冬の剪定では、枯れ枝、細い枝、混み合っている枝などを根元から切り落とし、樹形を整えます。ただし、この時期には既に花芽ができているため、間違えて花芽のついた枝を切らないよう注意が必要です。

日光が足りていない

紫陽花は日陰でも育つというイメージがありますが、実は花芽をつけるにはある程度の日光が必要です。極端な日照不足の環境では、葉は茂っても花が咲かないという状況になりがちです。

紫陽花にとって理想的な環境は、午前中は日が当たり、午後には日陰になる半日陰です。具体的には、1日3~4時間以上日光が当たる場所が適しています。

日照条件花つき対応方法
半日陰(3~4時間以上)◎良好理想的な環境
明るい日陰(1~2時間)△やや少ない可能なら移動を検討
日陰(ほぼ当たらない)×咲きにくい場所の変更が必要
終日直射日光△葉焼けリスク真夏は遮光が必要

鉢植えの場合は、日当たりの良い場所に移動させることで改善できます。地植えの場合は、周囲の木や建物の影響で日照が不足していないか確認しましょう。ただし、真夏の強い直射日光に長時間当たると葉焼けを起こすため、夏場は明るい日陰で管理するのが理想的です。

紫陽花は北側でも育てられますが、日中数時間でも日が当たる場所であることが花を咲かせる条件です。

肥料の与え方に問題がある

肥料の過不足や成分バランスの悪さも、紫陽花が花を咲かせない大きな原因となります。特に問題となるのが、窒素過多とリン酸不足です。

窒素過多で葉ばかり茂る

肥料の三大要素は、窒素(N)、リン酸(P)、カリ(K)です。それぞれの役割を理解することが適切な施肥につながります。

成分主な役割過剰時の影響
窒素(N)葉や茎の成長促進葉ばかり茂り花が咲かない
リン酸(P)花や実の形成促進過剰害は少ない
カリ(K)根の生長、全体の健康維持過剰害は少ない

窒素が多すぎると葉や茎の成長ばかりが促進され、花芽の形成が阻害されます。特に観葉植物用の肥料は窒素分が多いため、紫陽花には適していません。葉は青々と茂っているのに花が咲かない場合は、窒素過多の可能性が高いです。

リン酸不足で花芽ができない

花芽を作るためにはリン酸が不可欠です。リン酸が不足すると、花芽の発達が遅れたり、花数が極端に少なくなったりします。

紫陽花に適した肥料は、N:4・P:6・K:2、もしくはN:7・P:14・K:8といった、リン酸が多めの山型配合の肥料です。市販の紫陽花専用肥料(青用・赤用)を使用すると、花色も美しく仕上がります。

適切な施肥のタイミング

紫陽花の肥料は、年2回与えるのが基本です(参照:ハイポネックス「アジサイに適した肥料」)。

時期名称目的肥料の種類
12月下旬~2月中旬寒肥春の生育準備緩効性肥料・油かす
6月~7月(花後)礼肥開花で消耗した体力回復緩効性肥料・液肥

寒肥をしっかり与えることで、その後の生育が順調になります。鉢植えの場合は、肥料成分が水で流れ出やすいため、月1~2回程度液肥を追加で与えるのも効果的です。

肥料を与えすぎると肥料焼けを起こし、逆に花が咲かなくなることがあります。適量を守ることが重要です。

水やりが適切でない

紫陽花は「水を欲しがる植物」と表現されるほど、水を好む性質があります。何度も水切れを起こすと株が弱り、花が咲かなくなってしまいます。

真夏の水切れに注意

特に注意が必要なのが真夏です。気温が高い日は土の表面がすぐに乾燥するため、朝晩2回の水やりが必要になることもあります。紫陽花が萎れているのを見つけたら、すぐにたっぷりと水を与えてください。

水切れの期間が長くなると根が傷んでしまい、水を吸収できなくなって枯れてしまうこともあります。鉢植えは特に水切れを起こしやすいため、こまめなチェックが大切です。

冬も水やりを忘れずに

意外と見落とされがちなのが、冬の水やりです。落葉期で葉がないとついつい水やりを忘れてしまいがちですが、この時期も花芽の準備は進んでいます。

鉢植えの紫陽花は、冬でも土が乾いたら水を与える必要があります。地植えの場合は、よほど乾燥が続かない限り水やりは不要です。

栽培方法水やり頻度(夏)水やり頻度(冬)
鉢植え1日1~2回土が乾いたら
地植え乾燥が続くとき基本不要

鉢受けに水を溜めたままにすると根腐れの原因になるため、受け皿の水は必ず捨てましょう。

寒さや寒風で花芽が枯れている

紫陽花は耐寒性が強い植物ですが、冷たい寒風に長時間さらされると花芽が枯死してしまうことがあります。特に朝晩の冷え込みが厳しい地域では注意が必要です。

紫陽花の花芽は枝の先端につくため、冬の間は風に晒されやすい位置にあります。風の通り道のような場所に植えてある場合、冬の木枯らしのような強い寒風で花芽が傷んでしまうのです。

寒冷紗で防寒対策

寒冷地にお住まいの方は、紫陽花の周りに支柱を立てて寒冷紗で囲う防寒対策が有効です。寒冷紗は風を和らげつつ通気性も確保できるため、紫陽花の防寒に適しています。

ビニールで覆いたくなりますが、風通しが悪くなったり昼間に温度が上がりすぎたりするため、寒冷紗がおすすめです。

鉢植えの場合は、冬の間だけ軒下や玄関内など、寒風が直接当たらない場所に移動させるのが簡単で効果的です。

鉢が小さすぎて根詰まりしている

購入時の紫陽花の鉢は、流通の都合上、花のサイズに対して非常に小さい鉢に植えられていることがほとんどです。この状態を放置すると、根詰まりを起こして株が弱り、翌年花が咲かなくなります。

小さな鉢の中では根が鉢の内側をぐるぐる回り、土がほとんどない状態になってしまいます。今年大きく咲かせた分、たくさんのエネルギーを消費しているため、来年も花を咲かせるための余力が残っていないのです。

定期的な鉢増しが必要

紫陽花の鉢植えは、年1回の植え替えが基本です。購入した年は花が終わったらすぐに、一回り大きな鉢に植え替えましょう。

現在の鉢サイズ植え替え後の鉢サイズ
4号鉢(12cm)6号鉢(18cm)
6号鉢(18cm)8号鉢(24cm)
8号鉢(24cm)10号鉢(30cm)

植え替えの際は、根鉢を崩さずそのまま植え替えるのがポイントです。土を落としたり根を切ったりすると、株にダメージを与えてしまいます。ウォータースペース(鉢の縁から2~3cm下まで)を確保して、植え替え後はたっぷり水やりをしましょう。

購入翌年は咲かないこともある

実は、購入した翌年に花が咲かないのは珍しいことではありません。これは管理の失敗ではなく、株の状態に起因する一時的な現象です。

販売されている紫陽花の鉢植えは、最初から花をたくさん咲かせるために、株が既にかなりのエネルギーを使っている状態です。小さな鉢で立派な花を咲かせた後は、株が疲弊しており、翌年花を咲かせるだけの余力が残っていないことがあります。

紫陽花は一年草ではなく、少しずつ株が立派になって成長していく花木です。適切に管理していれば、購入して2~3年目くらいからは毎年安定して花が咲くようになります。

焦らず、株を育てることに専念しましょう。葉が青々と茂り、株が元気に成長していれば問題ありません。

植え替え直後で株が成長に集中している

植え替えを行った直後も、花が咲かないことがあります。これは植え替えによって根を張ることにエネルギーが優先的に使われるためです。

地植えから鉢植えへ、あるいは鉢植えから地植えへ移した場合、株は新しい環境に適応するために根の成長に力を注ぎます。その結果、一時的に花芽の形成が後回しになることがあります。

ただし、花が咲かなくても株が元気に成長しているようなら心配する必要はありません。十分に樹が大きくなり、根がしっかり張ってからは、再び花を咲かせるようになります。

植え替えは紫陽花の休眠期(11月~3月)に行うと、株へのダメージを最小限に抑えられます。

紫陽花の花が咲かない時の対処法

紫陽花の花が咲かない時の対処法
対処法効果が出る時期実施の優先度
正しい剪定翌年の開花最優先
日当たり改善当年~翌年高い
適切な施肥翌年の開花高い
水やり改善すぐ~翌年高い
鉢増し・植え替え翌年以降中程度
防寒対策翌年の開花地域による
品種変更新規購入時初心者は検討

正しい剪定方法を実践する

紫陽花を確実に咲かせるための最も重要な対処法が、正しい時期に正しい位置で剪定することです。ここでは旧枝咲きと新枝咲き、それぞれの品種に適した剪定方法を詳しく解説します。

STEP
花後の剪定(7月中旬まで)

花が終わったら、花から2~3節下の充実した脇芽が出ている上で枝をカットします。脇芽の約2cm上が目安です。まだ花が終わっていなくても、剪定の時期を優先し、切り取った花は切り花として楽しみましょう。

STEP
花が咲かなかった枝は残す

今年花が咲かなかった枝は、充実していれば翌年開花する可能性が高いため、剪定せずに残しておきます。細くて貧弱な枝だけを選んで切り落としましょう。

STEP
冬の剪定(11月~3月)

落葉期に入ったら、枯れ枝、細い枝、混み合っている枝を根元から切り落とし、樹形を整えます。この時期には既に花芽ができているため、間違えて花芽を切らないよう注意してください。

コンパクトに仕立てたい場合は、花がついていた枝を花の3~4節下で切り、それ以外の枝は全体の1/2程度で剪定すると、翌年も花を咲かせながら樹形を整えられます。

新枝咲き品種(アナベル・ノリウツギ)の剪定
新枝咲き品種は今年の枝に花芽がつくため、剪定は2月~3月までに行います。お好きな高さで切り戻すことができ、剪定の失敗がほとんどありません。

適切な日当たりの場所で管理する

日照不足を改善することで、花芽の形成を促すことができます。紫陽花にとって理想的な環境は、午前中は日が当たり、午後には日陰になる半日陰です。

鉢植えの場合は、置き場所を変えることで簡単に改善できます。午前中に2~3時間程度日が当たる場所に移動させましょう。真夏の強い直射日光は葉焼けの原因になるため、7月~9月中旬までは明るい日陰で管理するのが理想です。

地植えの場合は、周囲の木や建物の影響を確認してください。日中に数時間でも日が当たっていれば、基本的には問題ありません。もし全く日が当たらない場所に植えてしまった場合は、移植を検討する必要があります。

季節鉢植えの置き場所注意点
春(3月~5月)日当たりの良い場所生育が活発な時期
夏(6月~9月)明るい日陰強い直射日光を避ける
秋(10月~11月)日当たりの良い場所花芽形成の時期
冬(12月~2月)日当たりの良い場所寒風を避ける

紫陽花は北側の庭でも育てられますが、建物の影で全く日が当たらない場所では花つきが悪くなります。

肥料を適切なタイミングで与える

肥料の種類とタイミングを適切にすることで、翌年の開花を確実にできます。紫陽花の施肥は年2回が基本です。

寒肥(12月下旬~2月中旬)は、冬の休眠から目覚めて活動する前に、元気な状態で新芽の展開が行えるように与えます。緩効性の固形肥料や油かすを、株元から少し離れた場所に施します。寒肥をしっかり与えることで、その後の生育が順調になります。

礼肥(6月~7月)は、花が咲き終わった後から8月までに、開花や剪定で消耗した体力を回復させるために与えます。緩効性肥料または液肥を使用します。

肥料の種類使用時期特徴
緩効性化成肥料寒肥・礼肥効果が長続きする
固形油かす寒肥・礼肥有機質で土壌改善効果
液体肥料礼肥・追肥即効性があり調整しやすい
紫陽花専用肥料寒肥・礼肥花色に合わせた配合

鉢植えの場合は、肥料成分が水で流れ出やすいため、月1~2回程度、規定量に薄めた液肥を水やり代わりに与えるのも効果的です。特に9月は、液肥を10日に1度のペースで与えると良いでしょう。

窒素が多すぎる肥料は葉ばかりが茂る原因になります。リン酸が多めの肥料(N:4・P:6・K:2など)を選びましょう。

赤やピンクの紫陽花を育てる場合は、土壌が酸性に傾くと青っぽくなってしまうため、「赤アジサイ用肥料(アルカリ肥料)」を使用すると安心です。

水やりを見直す

紫陽花を健康に育てるためには、適切な水やりが欠かせません。鉢植えと地植えでは水やりの頻度が大きく異なるため、それぞれに適した方法を実践しましょう。

鉢植えの水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと与えることが基本です。鉢底から水が流れ出るまでしっかり与えます。真夏は土の乾燥が早いため、朝晩2回の水やりが必要になることもあります。

冬の落葉期も、土が乾いたら水やりを忘れずに行ってください。葉がなくても、根は生きていますし、花芽の準備も進んでいます。

地植えの水やりは、根付いた後は基本的に不要です。ただし、真夏に雨が降らず乾燥が続く場合は、朝か夕方に水を与えましょう。

時期鉢植え地植え
春(3月~5月)土が乾いたら1日1回基本不要
夏(6月~9月)1日1~2回乾燥が続くとき
秋(10月~11月)土が乾いたら1日1回基本不要
冬(12月~2月)土が乾いたら適宜基本不要

鉢受けに水を溜めたままにすると根腐れの原因になります。受け皿の水は必ず捨てましょう。

紫陽花が萎れているのを見つけたら、すぐにたっぷりと水を与えてください。何度も水切れを起こすと株が弱り、花が咲かなくなる原因となります。

鉢増しや植え替えを行う

鉢植えの紫陽花は、根の成長が早いため年1回の植え替えが理想的です。根詰まりを起こすと水や養分の吸収が悪くなり、花が咲かなくなります。

購入した開花株は、その年の花が終わったらすぐに一回り大きな鉢に植え替えましょう。2年目以降は、休眠期の1月中旬~3月中旬に植え替えを行います。

STEP
一回り大きな鉢を用意

現在の鉢より一回り(約6cm)大きい鉢を用意します。4号鉢なら6号鉢、6号鉢なら8号鉢が目安です。

STEP
根鉢を崩さず植え替え

土を落としたり根鉢を崩したりせず、そのまま新しい鉢に植え替えます。根を傷つけないことが重要です。

STEP
用土を入れて水やり

水はけの良い用土を鉢の縁から2~3cm下まで入れ、ウォータースペースを確保します。植え替え後はたっぷり水やりをします。

用土は市販の「紫陽花の土」が便利ですが、自分で配合する場合は赤玉土小粒7:腐葉土3の割合がおすすめです。青い花を咲かせたい場合は酸性の土、赤やピンクの花を咲かせたい場合はアルカリ性の土を使用します。

地植えにする場合は、休眠期(11月~3月)に行いましょう。植え穴に腐葉土を混ぜ込み、油かすなどの固形肥料を施してから植えつけます。

防寒対策を施す

寒冷地にお住まいの方や、朝晩の冷え込みが厳しい地域では、冬の防寒対策が翌年の開花を左右します。

紫陽花の花芽は枝の先端につくため、冬の間は寒風に晒されやすい位置にあります。強い寒風に長時間当たると、せっかくできた花芽が枯死してしまうことがあります。

地植えの防寒方法は、紫陽花の周りに支柱を3~4本立て、寒冷紗で囲います。寒冷紗は風を和らげつつ通気性も確保できるため、紫陽花の防寒に最適です。

鉢植えの防寒方法は、より簡単です。冬の間だけ、軒下、玄関内、無暖房の室内など、寒風が直接当たらない場所に移動させましょう。

防寒方法適した状況注意点
寒冷紗で囲う地植え・大型鉢植え通気性を確保
軒下に移動鉢植え最も手軽で効果的
不織布をかける地植え一時的な対策に
ビニールで覆う非推奨蒸れや温度上昇のリスク

ビニールは防寒効果が高そうに見えますが、風通しが悪くなったり昼間に温度が上がりすぎたりするため、紫陽花には適していません。

東京など温暖な地域では、特別な防寒対策をしなくても問題なく冬を越せることがほとんどです。お住まいの地域の気候に合わせて判断してください。

品種選びで失敗を防ぐ

紫陽花の剪定に自信がない初心者の方には、新枝咲き品種や剪定不要な品種を選ぶことをおすすめします。これらの品種は剪定の失敗が少なく、管理が格段に楽になります。

品種名咲き方特徴
アナベル新枝咲き大きな白い花房・剪定が簡単・ドライフラワー向き
ノリウツギ新枝咲き円錐形の花房・秋まで楽しめる・剪定が簡単
サマーメドレー新旧両枝咲き二季咲き性・コンパクト・剪定不要
タフスタッフ新枝咲きヤマアジサイ・コンパクト・剪定ほぼ不要

アナベルは、新枝咲き品種の代表格で、今年伸びた枝に花をつけるため、剪定時期を気にする必要がありません。2月~3月に好きな高さで切り戻すことができ、初心者でも失敗がほとんどありません。大きな白い花房が美しく、ドライフラワーにも適しています。

ノリウツギも新枝咲きで、円錐形の花房が特徴です。初夏から晩秋まで繰り返し咲き、秋色の変化も楽しめます。

サマーメドレーは、新旧両枝咲きという画期的な品種で、剪定時期に神経質になる必要がありません。自然にコンパクトな樹形にまとまるため、剪定そのものが不要です。二季咲き性で秋にも開花します。

初心者の方や剪定に不安がある方は、これらの品種から紫陽花栽培を始めることをおすすめします。

一方、ヤマアジサイは繊細な品種が多く、管理がやや難しいため、慣れてから挑戦すると良いでしょう。

よくある質問

紫陽花は剪定しなくても花は咲きますか?

はい、剪定しなくても花は咲きます。ただし、紫陽花は生命力が強く、剪定しないと背丈がどんどん高くなり、花が目線よりも高い位置で咲くようになってしまいます。また、枝が混み合って風通しが悪くなり、病害虫のリスクも高まります。鑑賞しやすい高さで美しい花を楽しむためには、適切な剪定が推奨されます。

葉ばかり茂って花が咲かないのはなぜですか?

葉が青々と茂っているのに花が咲かない場合、窒素過多の可能性が高いです。窒素は葉や茎の成長を促進する成分ですが、多すぎると花芽の形成が阻害されます。観葉植物用の肥料や、窒素分の多い肥料を与えていませんか?紫陽花にはリン酸が多めの肥料(N:4・P:6・K:2など)を選び、適量を守って施肥してください。

購入した紫陽花を地植えにしたいのですが、いつ植えればいいですか?

地植えの適期は落葉期の11月~3月です。この時期は紫陽花が休眠状態にあり、根への負担が最小限で済みます。植え穴を掘り、腐葉土を混ぜ込んで土壌を改善し、油かすなどの固形肥料を施してから植えつけましょう。植えつけ後はたっぷりと水を与え、根付くまでは水やりを忘れずに行ってください。

冬に葉が落ちて枯れたように見えますが大丈夫ですか?

紫陽花は落葉低木なので、冬に葉が落ちるのは正常な状態です。一見枯れているように見えますが、枝の中では花芽の準備が進んでおり、春になれば新しい葉が芽吹きます。冬の間も水やりを完全に止めず、土が乾いたら適度に水を与えてください。特に鉢植えの場合は、冬でも定期的な水やりが必要です。

アナベルはいつ剪定すればいいですか?

アナベルは新枝咲き品種なので、剪定は2月~3月までに行います。今年伸びた新しい枝に花をつける性質があるため、旧枝咲きの一般的な紫陽花とは剪定時期が異なります。好きな高さで切り戻すことができ、剪定の失敗がほとんどありません。ノリウツギも同様に2月~3月の剪定が適しています。

鉢植えの紫陽花はどのくらいの頻度で植え替えが必要ですか?

鉢植えの紫陽花は、年1回の植え替えが理想的です。紫陽花は成長が早く、すぐに根詰まりを起こしてしまうためです。購入した年は花後すぐに一回り大きな鉢へ、2年目以降は休眠期(1月中旬~3月中旬)に植え替えを行いましょう。根鉢は崩さず、そのまま大きな鉢に移し替えるのがポイントです。

真夏の強い日差しで葉が焼けてしまいました。どうすればいいですか?

紫陽花は半日陰を好む植物で、真夏の強い直射日光に長時間当たると葉焼けを起こします。葉焼けした部分は元に戻りませんが、株自体が元気であれば来年は問題なく成長します。対策としては、7月~9月中旬は明るい日陰で管理するか、遮光ネットで日差しを和らげましょう。鉢植えなら、午後は日陰になる場所に移動させるのが効果的です。

剪定を忘れてしまいました。もう手遅れでしょうか?

7月中の剪定を忘れても、諦める必要はありません。終わった花をいつまでもつけておくより、剪定した方が株のためになります。ただし、秋以降の剪定では枝を短く切りすぎないことが重要です。すでに花芽ができている可能性が高いため、不要な枝を整理する程度にとどめ、翌年は花後の適期に必ず剪定を行いましょう。

紫陽花の花を確実に咲かせるための重要ポイント

  • 紫陽花の花が咲かない最大の原因は剪定時期と剪定位置の間違い
  • 旧枝咲き品種の剪定は花後の6月下旬~7月中旬までに必ず行う
  • 剪定位置は花から2~3節下の充実した脇芽の上が正解
  • 今年花が咲かなかった枝は翌年開花の可能性があるため残す
  • 花芽をつけるには半日陰程度(3~4時間以上)の日照が必要
  • 窒素過多は葉ばかり茂る原因、リン酸多めの肥料を選ぶ
  • 肥料は年2回、寒肥(12月下旬~2月)と礼肥(6~7月)を施す
  • 紫陽花は水を好む植物なので何度も水切れを起こさないよう注意
  • 真夏は朝晩2回の水やりが必要になることもある
  • 冬の落葉期も水やりを忘れずに行う
  • 鉢植えは年1回の植え替えで根詰まりを防ぐ
  • 寒冷地では寒風対策として寒冷紗で囲うか軒下に移動
  • 購入翌年は咲かないこともあるが2~3年で安定する
  • 初心者にはアナベルやノリウツギなど新枝咲き品種がおすすめ
  • 剪定不要なサマーメドレーは新旧両枝咲きで失敗が少ない
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