梅雨の時期に美しく咲く紫陽花ですが、花言葉に怖い意味があることをご存知でしょうか。移り気や浮気、冷淡といったネガティブな言葉が並び、プレゼント選びに不安を感じる方も多いはずです。しかし実際には、紫陽花の花言葉には怖いとされる意味だけでなく、家族団らんや辛抱強さといった温かいメッセージも込められています。
紫陽花の花言葉にいい意味があることも知れば、母の日や結婚祝いなど、大切な場面での贈り物にも自信を持って選べるようになります。本記事では、紫陽花の花言葉が怖いと言われる理由から、色別や種類別の意味、そして上手な贈り方まで詳しく解説していきます。
- 紫陽花の花言葉が怖いと言われる具体的な理由と由来
- 色別・種類別の花言葉の違いとそれぞれの意味
- 紫陽花をプレゼントしてはいけないシーンと注意点
- 紫陽花の良い花言葉を活かした上手な贈り方
紫陽花の花言葉が怖いと言われる理由とその真相

| カテゴリー | 主な内容 |
|---|---|
| 怖い花言葉 | 移り気、浮気、無常、冷淡、冷酷、高慢 |
| 由来 | 色が変化する性質、寒色のイメージ、梅雨の環境 |
| 注意点 | お見舞い、恋愛関係の相手への贈り物は避ける |
| 毒性 | 花や葉に有毒成分あり(観賞のみなら問題なし) |
紫陽花の特徴と基本情報
紫陽花は梅雨の時期を代表する花として、日本の風景に欠かせない存在です。学名はHydrangea macrophyllaといい、アジサイ科アジサイ属に分類されます。原産地は日本で、江戸時代に西洋へ渡り、品種改良された西洋紫陽花として逆輸入されるという興味深い歴史を持っています。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 学名 | Hydrangea macrophylla |
| 科名 | アジサイ科アジサイ属 |
| 原産地 | 日本 |
| 開花時期 | 6月~7月 |
| 花の色 | 青、紫、ピンク、白、緑など |
| 誕生花 | 6月3日、14日、24日、26日 |
| 花言葉 | 家族団らん、移り気、辛抱強さ、冷淡など |
紫陽花の英名であるHydrangea(ハイドランジア)は、ギリシャ語の「hydor(水)」と「angeion(容器)」を組み合わせた言葉です。これは紫陽花の生育にたっぷりの水が必要であることと、果実の形が水瓶に似ていることに由来しています。
和名の「紫陽花(アジサイ)」については、最も有力な説として「アズサアイ(集真藍)」が訛ったという説があります。大言海という古い辞書によると、藍色が集まったという意味から「アズサアイ・アズサイ」が訛って「アジサイ」と呼ばれるようになったとされています。
私たちが鑑賞している花びらのように見える部分は、実は「がく片」と呼ばれる装飾花です。本来の花は中心部にある小さな部分で、周りの大きな花びらのような部分は、がくが発達したものなのです。
紫陽花の最大の特徴は、土壌の酸度によって花の色が変化することです。酸性土壌では青系の花が咲き、アルカリ性土壌ではピンクや赤系の花が咲きます。この性質から「七変化」という別名でも親しまれています。
怖いと言われる花言葉一覧
紫陽花には美しい外見とは対照的に、ネガティブな印象を与える花言葉が複数存在します。これらの花言葉は、紫陽花を贈り物として選ぶ際に躊躇する原因となっています。
主な怖い花言葉とその意味
移り気という花言葉は、気持ちが安定せず、コロコロと変わりやすいことを示します。恋愛関係において、相手への気持ちが長続きしない様子を連想させるため、パートナーへの贈り物としては避けたい意味です。
浮気は、移り気よりもさらに直接的なネガティブメッセージです。他の人に愛情が移ってしまうことを表すため、恋人や配偶者への贈り物には不向きとされています。
無常は、物事が移り変わりやすく、永続性がないことを意味します。せっかくの贈り物が「関係の終わり」を暗示しているように受け取られかねません。
冷淡と冷酷は、感情の冷たさを表現する花言葉です。相手への思いやりや温かさがないという印象を与えてしまいます。
高慢は、自分を他人よりも優れていると思い込み、相手を見下すような態度を示します。謙虚さを重んじる日本の文化において、特に避けたい花言葉の一つです。
変節は、主義や立場を状況に応じて変えることを意味し、一貫性のなさを示唆します。
| 花言葉 | 意味 | 避けるべきシーン |
|---|---|---|
| 移り気 | 気持ちが変わりやすい | 恋人への贈り物 |
| 浮気 | 他者に愛情が移る | 配偶者への贈り物 |
| 無常 | 永続性がない | 結婚記念日 |
| 冷淡 | 感情が冷たい | お祝い全般 |
| 冷酷 | 思いやりがない | 感謝の贈り物 |
| 高慢 | 相手を見下す態度 | 目上の人への贈り物 |
| 変節 | 一貫性がない | ビジネスギフト |
これらの花言葉を知らずに紫陽花を贈ってしまうと、受け取った側が誤解や不快感を抱く可能性があります。特に花言葉に詳しい方や、気にする性格の方には注意が必要です。
怖い花言葉が生まれた由来
紫陽花に怖い花言葉がつけられた背景には、この花の持つ独特の性質や、咲く環境が深く関係しています。一つ一つの由来を理解することで、なぜネガティブな意味が生まれたのかが明確になります。
色が変化する性質による由来
紫陽花の最も特徴的な性質が、花の色が変化することです。土壌の酸度によって、同じ株でも植える場所を変えるだけで花の色が青からピンクへ、またはその逆に変わってしまいます。
この変化しやすい性質から、「移り気」「浮気」「無常」という花言葉が生まれました。人の心が移ろいやすく、一つの場所に留まらない様子を、色が変わる紫陽花に重ねたのです。
青や紫の寒色イメージによる由来
紫陽花の代表的な花色である青や紫は、寒色系の色彩として分類されます。これらの色は視覚的に冷たさを感じさせ、心理的にも距離感や冷淡さを連想させる効果があります。
青色は空や海、水、氷といった要素を想起させ、平和や知性の象徴でもある一方で、不安や冷徹、悲しみ、寂しさといったネガティブな感情とも結びつきます。このような青系の色のイメージから、「冷淡」「冷酷」「高慢」という花言葉が生まれました。
特に青い紫陽花には「美しいが冷酷」「あなたは冷たい」という直接的な花言葉もあり、外見の美しさと内面の冷たさの対比が強調されています。
梅雨の環境とイメージによる由来
紫陽花は6月から7月の梅雨時期に開花します。この時期は雨が多く、じめじめとした湿気と薄暗い空模様が続く、日本人にとってあまり快適とは言えない季節です。
冷たい雨の中でひっそりと咲く紫陽花の姿が、孤独や寂しさ、憂鬱といったネガティブな感情と結びつけられました。明るく華やかな春の花や、眩しい夏の花とは異なり、薄暗い雨の中で咲く紫陽花には、どこか物悲しい印象が付きまといます。
このような環境的な要因も、紫陽花に怖い花言葉が生まれた一因となっています。しかし同時に、この厳しい環境に耐えて長期間咲き続ける姿からは、「辛抱強さ」というポジティブな花言葉も生まれています。
| 由来 | 関連する花言葉 | 具体的な理由 |
|---|---|---|
| 色が変化 | 移り気、浮気、無常 | 土壌のpHで花色が変わる性質 |
| 寒色イメージ | 冷淡、冷酷、高慢 | 青・紫系の色が与える冷たい印象 |
| 梅雨の環境 | 変節、憂鬱 | じめじめした暗い季節に咲く |
色別の怖い花言葉の詳細
紫陽花の花言葉は、花の色によっても異なる意味を持ちます。特に青系や紫系の紫陽花には、他の色よりも多くのネガティブな花言葉が付けられています。
青・紫の紫陽花の怖い花言葉
青や紫の紫陽花には、「冷淡」「無情」「高慢」「美しいが冷酷」「あなたは冷たい」という複数の怖い花言葉があります。
これらは前述の通り、寒色系の色が持つ冷たいイメージに由来しています。青色は視覚的に体感温度を下げる効果があり、心理的にも距離感を生み出す色として知られています。
しかし一方で、青・紫の紫陽花には「辛抱強い愛」「知的」「神秘的」といったポジティブな花言葉も存在します。これらの両面性を理解した上で、贈る相手や場面を選ぶことが重要です。
全般的な怖い意味
「移り気」「浮気」「無常」といった花言葉は、特定の色に限定されず、紫陽花全般に共通する花言葉とされています。これらは花の色が変化するという紫陽花の本質的な特徴に由来するため、どの色の紫陽花を選んでも、この意味から完全に逃れることはできません。
ただし、GreenSnapが実施したアンケート調査によると、約77.4%の人が紫陽花のネガティブな花言葉を気にしないと回答しています。つまり約8割の人は、花言葉よりも花そのものの美しさや、贈る人の気持ちを重視しているのです。
それでも約2割の人は嫌な気分になる、または記念日やパートナーからもらうと気になると答えているため、贈る相手の性格や価値観を考慮することが大切です。
贈り物として避けるべきシーン
怖い花言葉を持つ紫陽花は、以下のようなシーンでの贈り物としては特に慎重になる必要があります。
| 避けるべきシーン | おすすめのシーン |
|---|---|
| 恋人への記念日の贈り物 交際相手への誕生日プレゼント 夫婦間のサプライズギフト お見舞いや病気の方への贈り物 | 母の日や父の日 親しい友人への贈り物 家族へのプレゼント 結婚式(白・ピンク限定) |
紫陽花の毒性について
紫陽花の怖いイメージは、花言葉だけでなく、実際に毒性を持っているという事実にも関係しています。厚生労働省の情報によると、紫陽花の葉や茎、つぼみには有毒成分が含まれており、誤って食べると健康被害を引き起こす可能性があります。
紫陽花を誤食した場合、めまい、嘔吐、顔面紅潮、呼吸困難などの中毒症状が現れることがあります。特に小さな子どもやペットがいる家庭では、誤食しないよう十分な注意が必要です。
ただし、紫陽花は観賞用として楽しむ分には全く問題ありません。花を触ったり、飾ったりすることで中毒症状が出ることはないため、過度に恐れる必要はありません。
過去には、料理の飾りとして紫陽花の葉が使われ、それを食べてしまった人が食中毒症状を起こした事例も報告されています。飲食店などで使用する際は、特に注意が必要です。
| 有毒部位 | 主な症状 | 注意点 |
|---|---|---|
| 葉 | めまい、嘔吐 | 料理の飾りに使わない |
| 茎 | 顔面紅潮、嘔吐 | ペットが噛まないよう注意 |
| つぼみ | 呼吸困難、痙攣 | 子どもの手の届かない場所に |
| 花 | 消化器症状 | 観賞のみなら問題なし |
紫陽花にまつわる怖い話と悲しいエピソード
紫陽花には、花言葉や毒性以外にも、歴史的な悲恋のエピソードが語り継がれています。最も有名なのが、江戸時代のドイツ人医師シーボルトと日本人女性お滝さんの物語です。
シーボルトとお滝さんの悲恋
江戸時代後期、長崎の出島で医師として活動していたドイツ人のフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトは、日本人女性の楠本滝(お滝さん)と出会い、深く愛し合うようになりました。
しかし、シーボルトは日本の地図などを国外に持ち出そうとした罪で捕らえられ、1829年にスパイ容疑で日本から追放されることになります。愛する人との突然の別れを余儀なくされたシーボルトは、お滝さんへの変わらぬ愛を示すため、紫陽花に「Hydrangea otaksa(オタクサ)」という学名をつけました。
この切ない別れの物語から、紫の紫陽花には「辛抱強い愛」という花言葉が生まれました。遠く離れた地で互いを想い続ける二人の姿が、長い花期を持ち、雨に耐えて咲き続ける紫陽花の姿と重なったのです。
その他の言い伝えや伝説
日本各地には、紫陽花にまつわる様々な言い伝えが残されています。ある地域では、紫陽花を家の軒下に吊るすことで、その家に災いが起こらないという魔除けの風習があります。これは江戸時代から続く「紫陽花守り」と呼ばれる習慣で、邪気を払い心身の健康を守ると信じられてきました。
一方で、紫陽花の花が色を変える様子を、人の心変わりや裏切りに例える物語も存在します。色が変わる紫陽花を見て、恋人の心変わりを嘆く歌なども古くから詠まれています。
プレゼントしてはいけないシーン
紫陽花には素敵な花言葉も多くありますが、贈るシーンを間違えると相手に不快感や誤解を与えてしまう可能性があります。特に以下のシーンでは、紫陽花を避けるべきです。
お見舞いや病気の方への贈り物
お見舞いに鉢植えの紫陽花を贈ることは、絶対に避けてください。鉢植えには「根付く」という意味があり、これが「寝付く(病床に長く留まる)」を連想させるため、大変縁起が悪いとされています。
さらに、紫陽花の花色が変化する性質が、病状が急変することを暗示しているように受け取られる可能性もあります。また、花がぽろりと落ちる様子が、生命力の衰えを連想させることから、病気療養中の方への贈り物としては不適切です。
もし病床中の方の誕生日に紫陽花を贈りたい場合は、鉢植えではなく切り花のアレンジメントを選び、明るい色合いのものにすることをおすすめします。
恋愛関係のパートナーへの贈り物
「浮気」「移り気」という花言葉を持つ紫陽花は、恋人や配偶者への贈り物としては慎重になる必要があります。特に記念日やバレンタインデー、ホワイトデーなど、愛情を表現する場面では、別の花を選ぶ方が無難です。
前述のアンケート調査でも、約2割の人がパートナーから紫陽花をもらうと気になると回答しています。相手が花言葉を気にする性格の場合、せっかくの気持ちが誤解されてしまう可能性があります。
ただし、長年連れ添った夫婦間で、お互いの理解がある場合は、「辛抱強い愛」という花言葉を伝えた上で贈るという方法もあります。
| NGシーン | 理由 | 代替案 |
|---|---|---|
| お見舞い | 「根付く」→「寝付く」を連想 色が変わる=病状変化の暗示 | 切り花のアレンジメント (紫陽花以外の花) |
| 退院祝い | 鉢植え全般がNG 花が落ちる様子が不吉 | 切り花の花束 観葉植物(鉢なし) |
| 恋人への記念日 | 「浮気」「移り気」を連想 相手が誤解する可能性 | バラやカーネーション 相手の好きな花 |
| プロポーズ | 「無常」が関係の終わりを暗示 一生の誓いに不向き | 永遠の愛を象徴する花 (バラ、カサブランカなど) |

紫陽花の花言葉のいい意味と上手な贈り方

| カテゴリー | 主な内容 |
|---|---|
| いい花言葉 | 家族団らん、和気あいあい、辛抱強さ、一途な愛 |
| おすすめの色 | 白(一途な愛)、ピンク(元気な女性)、緑(ひたむきな愛) |
| 最適なシーン | 母の日、父の日、結婚式、誕生日 |
| 贈り方のコツ | メッセージカードでポジティブな意味を伝える |
ポジティブな花言葉一覧
紫陽花には怖い花言葉がある一方で、温かく素敵な意味を持つ花言葉も数多く存在します。これらのポジティブな花言葉を知ることで、自信を持って紫陽花を贈ることができます。
家族と団らんは、紫陽花を代表する花言葉です。小さな花が集まって一つの大きな花房を形成する様子が、家族が寄り添い合う姿を連想させます。母の日や父の日、家族の記念日などにぴったりの花言葉です。
和気あいあいも、家族や仲間の調和を表す温かい花言葉です。複数の花が仲良く咲く様子から生まれた言葉で、友人への贈り物にも適しています。
辛抱強さと辛抱強い愛は、紫陽花の長い花期と、厳しい梅雨の環境に耐える姿から生まれた花言葉です。困難に立ち向かう人や、努力を続けている人への応援メッセージとして最適です。
一途な愛情は、特に白い紫陽花に付けられた花言葉で、恋愛関係でも使える美しい意味を持ちます。
元気な女性と強い愛情は、特にピンクの紫陽花に関連する花言葉で、女性への贈り物に最適です。
寛容は、白い紫陽花が持つ花言葉で、相手の欠点を受け入れ、広い心で接することを表します。
神秘的と知的は、紫色の紫陽花に付けられた花言葉で、高貴で洗練された印象を与えます。
謙虚は、ガクアジサイ特有の花言葉で、控えめな美しさを表現しています。
ひたむきな愛は、緑色の紫陽花(アナベル)の花言葉で、派手ではないけれど誠実な愛情を示します。
| 花言葉 | 意味 | 適したシーン |
|---|---|---|
| 家族 | 家族の絆 | 母の日、父の日、家族の記念日 |
| 団らん | 和やかな集まり | 家族へのプレゼント |
| 和気あいあい | 仲良く調和している | 友人への贈り物 |
| 辛抱強さ | 困難に耐える力 | 受験生、頑張っている人へ |
| 辛抱強い愛 | 変わらぬ愛情 | 長年のパートナーへ |
| 一途な愛情 | 揺るぎない愛 | 結婚式、結婚祝い |
| 元気な女性 | 活力ある姿 | 女性への誕生日プレゼント |
| 強い愛情 | 力強い愛 | 感謝の気持ちを伝える |
| 寛容 | 広い心 | 和解の贈り物 |
| 神秘的 | 不思議な魅力 | 特別な人への贈り物 |
| 知的 | 賢明な印象 | 目上の方への贈り物 |
| 謙虚 | 控えめな美しさ | 上品な印象を与えたい時 |
| ひたむきな愛 | 誠実な愛情 | 真面目な関係の相手へ |
いい意味の花言葉の由来
紫陽花のポジティブな花言葉にも、それぞれ明確な由来があります。花の見た目や性質から自然に生まれた、心温まるストーリーを見ていきましょう。
「家族」「団らん」「和気あいあい」の由来は、紫陽花の花の構造にあります。一つの大きな花房は、実は多数の小さな花が密集して咲いている状態です。これらの小さな花がひしめき合い、互いに寄り添って咲く様子が、家族が仲良く顔を寄せ合っている光景を連想させます。
紫陽花の語源である「集真藍(あづさあい)」も、この花言葉と深く関係しています。藍色が集まって咲くという意味を持つこの言葉は、まさに家族が集まる様子を表現しているといえます。
「辛抱強さ」の由来は、紫陽花の開花期の長さにあります。一般的な花の開花期間が1週間から2週間程度であるのに対し、紫陽花は約1ヶ月もの長期間にわたって美しい花を咲かせ続けます。
さらに、紫陽花が咲く梅雨の時期は、雨が多く日照時間も少ない厳しい環境です。そのような過酷な条件下でも、じっと耐えながら長期間花を咲かせ続ける姿が、辛抱強さの象徴として捉えられました。
「七変化」「高嶺の花」の由来は、色が変わる紫陽花の特徴をポジティブに捉えた表現です。同じ「色が変わる」という性質でも、見方を変えれば「移り気」ではなく「多彩な魅力」として解釈できます。
「七変化」は、一つの花で様々な色彩を楽しめる紫陽花の魅力を表現し、「高嶺の花」は、色を変える神秘的な美しさが手の届かない憧れの存在であることを示しています。
色別のいい意味の花言葉
紫陽花は色によって異なる花言葉を持ち、それぞれに美しい意味が込められています。贈る相手やシーンに合わせて色を選ぶことで、より適切なメッセージを伝えることができます。
ピンクの紫陽花には、「元気な女性」「強い愛情」という花言葉があります。「元気な女性」という花言葉は、フランスで付けられました。フランスの土壌は一般的にアルカリ性に傾いているため、ピンク色の紫陽花が咲きやすい環境です。そのため、フランスでピンクの紫陽花が身近な存在となり、活力ある女性のイメージと結びついたとされています。
ピンクという色自体も、優しさや愛情、女性らしさを象徴する色として知られています。母の日や女性の誕生日プレゼントとして、ピンクの紫陽花は大変人気があります。
白の紫陽花には、「一途な愛」「寛容」という花言葉があります。白色は何にも染まらない純粋さを象徴し、その控えめで清楚な印象から、このような花言葉が生まれました。
「一途な愛」という花言葉は、結婚式のブーケや装飾に白い紫陽花が頻繁に使われる理由の一つです。純白のドレスと相性が良く、これから新しい人生を歩む新郎新婦の純粋な愛を表現するのにふさわしい花とされています。
青・紫の紫陽花には、怖い花言葉だけでなく、「辛抱強い愛」「知的」「神秘的」「清澄」というポジティブな花言葉もあります。
「辛抱強い愛」は、前述したシーボルトとお滝さんの悲恋のエピソードに由来します。遠く離れていても互いを想い続ける姿が、この花言葉に込められています。
「知的」「神秘的」という花言葉は、古来より紫色が最も高貴な色とされ、貴族や権力者だけが身につけることを許された色であったことに関係しています。平安時代には、紫色の衣装は最高位の人物だけが着用できる特別な色でした。
緑の紫陽花(主にアナベルという品種)には、「ひたむきな愛」という花言葉があります。派手ではなく控えめな色の花に、誠実でひたむきな姿勢を重ね合わせた表現です。
緑色の紫陽花は、ナチュラルで落ち着いた印象を与えるため、インテリアとしても人気があります。
| 花の色 | 花言葉 | 適したシーン | 相性の良い贈り先 |
|---|---|---|---|
| ピンク | 元気な女性、強い愛情 | 母の日、誕生日 | 母親、女性の友人、娘 |
| 白 | 一途な愛、寛容 | 結婚式、結婚記念日 | 配偶者、婚約者 |
| 青・紫 | 辛抱強い愛、知的、神秘的 | 応援の贈り物 | 努力している人、目上の方 |
| 緑 | ひたむきな愛 | 自然派の贈り物 | 誠実な関係の相手 |
種類別の花言葉
紫陽花には色による違いだけでなく、種類によっても異なる花言葉が付けられています。それぞれの品種が持つ特徴的な咲き方や性質から、独自の花言葉が生まれています。
ガクアジサイの花言葉は「謙虚」です。ガクアジサイは、中心部に小さな両性花が密集し、その周りを装飾花が縁取るように咲く独特の形状を持ちます。
この花言葉の由来には二つの説があります。一つは、ガクアジサイが自生する場所に関係しています。関東地方や中部地方などの温暖な地域の海岸斜面や、高台よりさらに奥の森といった、人目につかない場所にひっそりと咲く性質から、控えめな印象が「謙虚」という花言葉につながりました。
もう一つの説は、紫陽花の中でも最も有名な「ホンアジサイ」と比較した時の咲き方の違いです。ホンアジサイが豪華に花を咲かせるのに対し、ガクアジサイは周囲にだけ花をつける控えめな咲き方をします。この対比から「謙虚」という花言葉が生まれたとされています。
ヤマアジサイの花言葉は「乙女の愛」「切実な愛」です。ヤマアジサイの特徴は、ホンアジサイに比べて全体的に華奢で、葉も薄く、サイズも小さめという点です。
清楚でどこか可憐なイメージがあることから、純粋で一途な「乙女の愛」という花言葉が付けられました。「切実な愛」は、小さく繊細な姿でありながら、しっかりと花を咲かせる健気さに由来しています。
ホンアジサイは、最も一般的な手毬咲きタイプの紫陽花です。装飾花が球状に密集して咲く華やかな姿が特徴で、「家族団らん」という花言葉が最もよく当てはまる品種といえます。
| 種類 | 花言葉 | 特徴 | 適した贈り先 |
|---|---|---|---|
| ガクアジサイ | 謙虚 | 中心に小花、周囲に装飾花 控えめな咲き方 | 上品な印象を与えたい時 年配の方への贈り物 |
| ヤマアジサイ | 乙女の愛、切実な愛 | 華奢で清楚 小ぶりで可憐 | 若い女性への贈り物 繊細な印象の方へ |
| ホンアジサイ | 家族団らん | 手毬咲き 華やかで存在感がある | 家族への贈り物 母の日、父の日 |
おすすめのプレゼントシーン
紫陽花のポジティブな花言葉を活かせば、様々な場面で喜ばれる贈り物になります。特におすすめのシーンを詳しく見ていきましょう。
母の日・父の日は、紫陽花を贈るのに最適な機会です。母の日は5月の第2日曜日で、紫陽花の開花時期である5月から7月と重なります。従来はカーネーションが定番でしたが、近年では紫陽花の人気が高まっています。
「家族団らん」という花言葉は、日頃の感謝を伝えるのにぴったりです。ボリューム感があり、花もちも長いため、プレゼントとして喜ばれること間違いありません。また、鉢植えの紫陽花なら、毎年花を咲かせることができるため、長く楽しんでもらえます。
結婚式・結婚祝いでも、紫陽花は大変人気があります。特に白やピンクの紫陽花は、ウェディングドレスとの相性が抜群です。
白い紫陽花の「一途な愛」という花言葉は、これから夫婦として人生を共にする二人にふさわしいメッセージです。また、「家族団らん」という花言葉は、これから新しい家族を築いていく新郎新婦に、絆を深めて幸せな家庭を作ってほしいという願いを込めることができます。
結婚式のブーケや装飾に使用する場合は、必ずメッセージカードに「明るく幸せなご家庭を築いてください」といった前向きな言葉を添えることをおすすめします。これにより、「移り気」や「浮気」といったネガティブな花言葉の誤解を避けることができます。
誕生日プレゼントとして紫陽花を贈るのも素敵です。特に紫陽花の誕生花である6月3日、14日、24日、26日生まれの方には、その日の誕生花として贈ると特別感が増します。
6月生まれの方全般に、紫陽花は季節感のある贈り物となります。花言葉の意味を踏まえて色を選ぶことで、普段から思う贈り主の気持ちが伝えやすくなります。
| シーン | おすすめの色 | 添えるメッセージ例 |
|---|---|---|
| 母の日 | ピンク、白 | 「いつもありがとう。家族みんなで感謝しています」 |
| 父の日 | 青、紫 | 「お父さんの辛抱強さに感謝しています」 |
| 結婚式 | 白、ピンク | 「末永く幸せな家庭を築いてください」 |
| 結婚祝い | 白、淡いピンク | 「一途な愛で結ばれたお二人に祝福を」 |
| 誕生日 | 相手の好みに合わせる | 「〇〇さんらしい素敵な一年になりますように」 |
上手な贈り方のポイント
紫陽花を贈る際には、いくつかのポイントを押さえることで、より喜んでもらえる贈り物になります。形態の選び方から、メッセージの伝え方まで、具体的な方法をご紹介します。
切り花か鉢植えかという選択は、贈る相手のライフスタイルを考慮することが大切です。GreenSnapが実施したアンケート調査によると、切り花は79.8%、鉢植えは91%の人が「うれしい」と回答しており、どちらかというと鉢植えの方が喜ばれる傾向にあります。
鉢植えのメリットは、長く楽しめることです。適切に管理すれば毎年花を咲かせることができ、プレゼントをもらった時の嬉しい気持ちを、来年また花が咲く時期に思い出すことができます。ただし、置く場所の確保や、植え替えの手間が必要になるため、ガーデニングが好きな方や、スペースに余裕がある方への贈り物として適しています。
切り花のメリットは、気軽に飾れることです。花瓶に生けるだけで楽しめ、管理の手間もかかりません。ただし、紫陽花の切り花は水揚げが難しい花として知られています。
紫陽花を切り花で贈る場合は、正しい水揚げ方法を一緒に伝えることをおすすめします。これにより、長く美しい状態を保つことができます。
紫陽花の茎全体が浸かるくらいの深さの容器を用意し、たっぷりの水を入れます。
水の中で茎の切り口をハサミでスパッと斜めに切ります。空気が入るのを防ぐため、必ず水中で切ることが重要です。
斜めになった切り口にある白いワタを、ハサミの先などでこそげ取ります。このワタが水の吸い上げを妨げるため、しっかり除去します。
茎をさらに立てに切って、二股になるようにします。これにより水の吸い上げる表面積が増え、より長持ちします。
メッセージカードを添えることは、紫陽花を贈る際の最も重要なポイントです。特に「移り気」「浮気」といったネガティブな花言葉を気にする方もいるため、ポジティブな花言葉を明記することで誤解を避けることができます。
メッセージの例としては、「『家族団らん』という花言葉にちなんで、いつも家族を大切にしているお母さんへ」「『一途な愛』の花言葉を込めて、これからもよろしくお願いします」といった形で、具体的な花言葉を示すと良いでしょう。
相手との関係性を考慮することも大切です。家族や親しい友人であれば、花言葉をあまり気にせず安心して贈ることができます。一方、恋愛関係の相手やビジネス関係の方には、慎重に色や品種を選び、必ずメッセージを添えるようにしましょう。
ドライフラワーとしての楽しみ方
切り花で紫陽花を楽しんだ後は、ドライフラワーにすることで、さらに長く美しさを楽しむことができます。紫陽花はドライフラワーに向いている花の一つで、乾燥後もきれいな色と形を保ちます。
ドライフラワーの作り方は簡単です。花が完全に開ききる前の段階で切り取り、風通しの良い場所に逆さに吊るしておくだけです。直射日光を避け、湿気の少ない場所を選ぶことで、色褪せを防ぎながら乾燥させることができます。
紫陽花のドライフラワーは、アンティークな雰囲気が魅力です。生花とはまた違った趣があり、シャビーシックなインテリアやナチュラルスタイルの部屋によく合います。リースやスワッグ、アクセサリーなど、様々なハンドメイド作品の材料としても人気があります。
ドライフラワーは、日常的なインテリアとして楽しむ分には問題ありませんが、お祝いの贈り物としては新鮮な生花を選ぶ方が、より相手に喜ばれるでしょう。
よくある質問
- 紫陽花の花言葉は本当に怖い?
-
紫陽花には「移り気」「浮気」「冷淡」などのネガティブな花言葉がありますが、同時に「家族団らん」「辛抱強さ」「一途な愛」といった温かい花言葉も数多く存在します。GreenSnapの調査によると、約8割の人は花言葉を気にしないと回答しており、花そのものの美しさや贈る人の気持ちを重視しています。
- 紫陽花をプレゼントで贈っても大丈夫?
-
母の日や父の日、家族や親しい友人への贈り物としては全く問題ありません。ただし、お見舞いや恋愛関係の相手への贈り物は避けた方が無難です。贈る際は、メッセージカードでポジティブな花言葉を明記することで、誤解を防ぐことができます。
- 紫陽花に毒があるって本当?
-
はい、紫陽花の花や葉には有毒成分が含まれています。誤って食べるとめまい、嘔吐、顔面紅潮、呼吸困難などの中毒症状が現れる可能性があります。ただし、観賞する分には全く問題なく、触っても害はありません。ペットや小さなお子様がいる家庭では、誤食しないよう注意が必要です。
- 結婚式に紫陽花は縁起が悪い?
-
いいえ、紫陽花には「家族団らん」という花言葉があり、白やピンクの紫陽花は結婚式のブーケや装飾に人気があります。「移り気」という花言葉を気にする場合は、メッセージカードに「明るく幸せなご家庭を築いてください」といった前向きな言葉を添えることで、意図が伝わります。
- 紫陽花の色が変わるのはなぜ?
-
紫陽花の花色は、土壌のpH(酸性度)によって変化します。酸性土壌では青系の花が咲き、アルカリ性土壌ではピンクや赤系の花が咲きます。同じ株でも植える場所を変えただけで色が変わることがあり、この性質から「七変化」という別名でも親しまれています。
- 紫陽花の水揚げ方法は?
-
紫陽花の切り花を長持ちさせるには、正しい水揚げが重要です。深いバケツに水をはり、水中で茎を斜めに切ります。次に切り口の白いワタをこそげ取り、茎を縦に切って二股にします。この手順で処理すると、1週間以上美しい状態を保つことができます。
- 紫陽花の花言葉で一番良い意味は?
-
贈るシーンによって異なりますが、「家族団らん」「一途な愛」「辛抱強さ」などが特に良い意味の花言葉とされています。白い紫陽花の「一途な愛」は結婚式に、ピンクの「元気な女性」は母の日に、全般の「家族団らん」は家族への贈り物に最適です。
- 紫陽花は何月が見頃?
-
紫陽花の開花時期は6月から7月で、梅雨の時期が見頃です。地域によって若干の差がありますが、一般的には6月中旬から7月上旬が最も美しい時期とされています。紫陽花の誕生花は6月3日、14日、24日、26日です。

紫陽花の花言葉を理解して大切な人への贈り物に活かそう
- 紫陽花には「移り気」「浮気」「冷淡」など怖いとされる花言葉があるが、「家族団らん」「辛抱強さ」など良い意味も多数存在する
- 怖い花言葉は花の色が変化する性質、寒色のイメージ、梅雨の環境などが由来となっている
- ピンクの紫陽花は「元気な女性」、白は「一途な愛」、青・紫は「辛抱強い愛」という花言葉を持つ
- ガクアジサイは「謙虚」、ヤマアジサイは「乙女の愛」と種類によっても花言葉が異なる
- お見舞いや病気の方への贈り物は絶対に避けるべきで、「根付く」が「寝付く」を連想させる
- 恋愛関係のパートナーへの贈り物は慎重に検討し、メッセージカードで意図を伝えることが重要
- 紫陽花の花や葉には有毒成分が含まれているが、観賞する分には問題ない
- 母の日や父の日は紫陽花を贈るのに最適なシーンで、開花時期とも重なる
- 結婚式のブーケや装飾に白やピンクの紫陽花は人気があり、「家族団らん」の花言葉がぴったり
- GreenSnapの調査によると約8割の人が紫陽花のネガティブな花言葉を気にしないと回答
- 鉢植えは切り花よりも喜ばれる傾向にあり、毎年花を楽しめるメリットがある
- 切り花の場合は正しい水揚げ方法を伝えることで長持ちさせることができる
- 紫陽花の色は土壌のpHによって変化し、酸性なら青系、アルカリ性ならピンク系になる
- ドライフラワーにすることでアンティークな雰囲気を楽しめるが、お祝いには生花が適している
- メッセージカードでポジティブな花言葉を明記することで誤解を防げる
